シンガポール
シンガポール(1) Jun 2001
 マイレージ特典旅行
自販機で買ったタバコを取るのを忘れ、新幹線に乗り込んでしまった。釣り銭は取ったのだが、うっかりと肝心のタバコを忘れてしまった。このことが後々のトラブルの前兆になるとはこの時は夢にも思わなかった。

今回の旅行はなんとタダ旅行だ。航空券はマイレージプラスの特典でタダ。宿泊はKL在住のS氏がシンガポールに所用で来るため、彼の滞在ホテルに投宿でき、これまたタダというなんとも嬉しい限りだ。
旅程としては、S氏と合流するまでの数日間をフリーで過ごし、その後ジョホールで待ち合わせする予定だった。その数日間は、のんびりとシンガポールを満喫するつもり、というこれまたのんびりとしたスケジュールだった。だったのだが・・
サンテックの噴水
フライトはUA897便で、夕刻に成田を出発し、深夜にシンガポールに着くという、なんとも時間的に都合の悪い便だ。が、なにせタダの航空券、文句は言えない。それにこの券は、いくらタダと言えども正規発行券なので、格安航空券とは異なり、席の選択までできる優れ物だ。

シンガポールには、到着予定時間よりも早く着いた。これは嬉しい誤算となった。初日のホテルを予約していなかった私は、空港内で朝を迎え、それから移動するつもりだった。それが市内への最終バスに間に合い、安宿を捜せるとは実に都合が良かった。

が、困ったことが起きた。実は、降りる場所がわからないのだ。安宿が有るのはベンクーレン通りかチャイナタウンらしいことは事前に調べているのでわかっていたが、いかんせん、実際に向かうとは思っていなかったので、情報が乏しかった。行き先がわかっても、降りる場所がわからなければ意味が無いのだ。
 シンガポールパークホテル
バスが向かっているのはオーチャード通り。誰もが知る東洋を代表する繁華街だ。しかし、そこまで行ったら安宿など無く、とんでもない料金のホテルが待ち構えているのは目に見えている。
目を皿のようにして降りる目印を捜していると、とある場所で乗客が一斉に降り始めた。どうやら、どこかの大通りのようだ。つられて一緒にに降りる私。どうも、コテコテの日本人である私は、この集団行動(?)につられる習性があるようだ。
この自分の優柔不断な性格を呪いながら、見知らぬ夜道に歩みを進めて行くと、目の前になんとYMCAの看板が大きくそびえていた。ベンクーレンストリートへの目印は、このYMCAなのだ。なんと、これまた偶然にしては運が良い。知らぬ間に目的地を目指していたのだ。日頃の行いが余程良いのだろう。

まずは宿選び。せっかく泊まるのだから、いくらでも良い宿を選ぶのが当然だろう。何件かの安そうな宿を見つけ、早速部屋探しを始めた。1軒目Hawaii Hostel、誰も居ず満室の札あるのみ。2軒目Bencoolen House、満室とのこと。
時間はまもなく深夜2:00になろうとしていた・・。ここでしばし公園で休憩タイム。今回のフライトでは今までになく大きな乱気流を味わった為、かなりヘロヘロになっていた。過去何度も乱気流を経験したが、あれほど大きな揺れは経験したことがなかった。もし、機材が某大国の国際航空だったなら、今ごろは海の上だったかも知れない。
宿探しはもう面倒になっていた。そう、宿探しはもう面倒になっていた。もう寝よう・・

公園の芝生の上に寝袋を広げ、曇天の空を眺めながら思った。初日から野宿じゃ先が思いやられるなぁ・・足元では、蚊か蟻なのか虫がモゾモゾと・・。
 WTCは、かなた遠くに
その日の朝は5:00に起床。結局、一晩中モゾモゾと体を這いまわられたのでとうとう一睡もできなかった。そう、私はデリケートで、実は枕が変わっただけで眠れない性格なのだ。
朝の犬の散歩で、犬の小便を顔にかけられては困る。いくら野宿していようが、今回も女房に出張と偽って家を出ようが、私は社会人であり、3児の父親でもあるのだ。

今日はインドネシアまで行って見よう。10年以上前に訪れたことがあるバタム島が、ずいぶん変わったという話だ。昔は何にも無かった島が、今では国際空港もでき、ずいぶん様変わりしたと聞いている。更にそのままスマトラ島へも行ける便があれば行ってみたい。
WTCの風景とりあえず目指すは、バタム島へのフェリーが出ているワールドトレードセンター(WTC)だ。MRTで行けば安く上がるはずだ。タクシーは朝の6:00までは深夜料金が追加されるのでもったいない。
行き先は地図で見る限りでは、WTCに一番近いのはTanjong Pager駅(W1)だろう。そこまで行けばタクシーに乗り換えても大した料金にはならないだろう。
電車に乗り込むと、驚いたことに皆が本を読んだり居眠りをしていた。この風景は東京のそれではないか。ソウルでも同じ、治安の良い国では居眠りしても全く問題ないようだ。外務省の海外危険情報に一切載らず、誰もが危険だと知る某大国のそれとは大違いだ。
駅を降りると雨が降り出していた。なんて運が良いのだろう。もし、昨夜にこの雨が降っていたら、びしょぬれになっていたところだった。
近くなのになかなかWTCに辿り着かないタクシー。もしかして、これは旅行者がよく引っかかる手口で、延々と遠回りをしてボル手口ではないか?!何度も運転手に聞いても道は合っていると言い張る。かなり遠くまで来てやっとWTCに着いた。あとで知ったのだが、私が降りたのはLakeside駅(W11)だった。乗車したBugis(E1)からTanjong Pager駅(W1)までは実際にはわずか3駅先だった。それをどう間違えたのかわざわざ遠くの駅まで行ってしまっていたのだ。それも、切符を買う時点で間違っていたのだ。タクシー料金は10S$(\700)、わずかこれだけの金額を惜しみ放浪していたのだ。

WTCに着くと早速、チケットの購入だ。行き先はスクーパン港にした。窓口では「切符を買うのは向こうで、ここにパスポートを置いて行け」と言われた。なんでいちいちパスポートを出さなきゃならないんだろう。ブツクサ言いながら(一人で)切符を買い戻ると、そのままパスポートが返された。入出国カードも一緒に。カードには既に一通りの記載されており、サインのみを手書きすれば良い状態になっていた。なんて親切なんだろう、ブツクサ言ってご免なさい。

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