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インドネシア(2)・・スマトラ | Jun 2001 | ||||||||||||||
航空券を購入する為、タクシーでナゴヤ(市内)へ。旅行代理店に申し込んだ行き先は、インド洋側の街パダン。が、今日のパダン行きは既に満席で、明日しか空席がないとのこと、残念。 日程に余裕の無い私は、とりあえずスマトラ島でここから一番近いプカンバルへ行くことにし、バタム→プカンバル→パダン→バタムの航空券を購入した。「プカンバルからパダンまでは2時間だよん」と言う運転手の言葉を半分信じてのことだった。 航空券は税込みでRp877,560(\13000)だ。シンガポールからパダンまでが確か片道\20,000位だったはずなので、まぁこんなもんだろう。 なんにもなかったはずのバタム島。いまでは大きなビルも建ち、2車線の道路では交通渋滞も発生していた。この10年でここは見違えるほど発展したようだ。 ![]() バタムの空港は広い。たかだか数機の離発着に備え、とんでもない広さを誇っている。インドネシア政府としてはこの空港を、チャンギ国際空港に匹敵するような国際空港に仕立てる計画だと以前新聞で読んだことがあるが、あながちハッタリではないようだ。 搭乗ゲートの待合室にはなんの表示もない。通常ならフライトを示す番号と時刻くらいはあるのだが、ここには何もない。更にフライトアナウンスすら無い。施設としては立派この上ないのだが、肝心なところがいいかげんなところは、インドネシアって国なんだろうか。 搭乗時間が過ぎてもなんらアナウンスもない。恐らく遅れるんだろう。周りの乗客も気にしていない様子だ。これがここでの時間ってもんなんだろう。いかにものどかだ・・ ふと、外を見やると搭乗予定のLion Airの機体がするすると近づいてきた。今頃になってやっと来た。実際なら今がフライト時間じゃないか。あきれて眺めていると機体はそのままするすると・・滑.走.路へ!! あわてて近くの空港職員に詰め居ると、やはり、あれが私の乗る便だった。 Lion Airの空港事務所で。 乗客A「なんで、置いてくんだよ。ちゃんと待ってたのに!」 職員A「(搭乗券を手に)だってここに、ゲートA3って書いてるじゃないですか」 搭乗券のゲートナンバーを良く見ると、確かにA3と書かれていた。それも、サインペンで書かれたA2の下に小さくボールペンで・・。 どうやら、搭乗ゲートを間違って待っていたようだ。出発したのはA2ゲート、それをA3ゲートで待っていた為フライトに気が付かなかったのだ。気が運が悪いのは、早く搭乗ゲートへ行き過ぎたからだった。国内線で3時間前にゲートで待つのは早く、本来のA3ゲートにはその時早すぎて誰も居なかった。それで何の迷いもなく本来のゲートを通り過ぎたのだ。更に運の悪さは続いた。誤ったA2ゲートでは、たまたま早く来ていたジャカルタ行きの乗客が居て、それをパダン行きと思い込んでしまったのだ。 乗客A「どう見たって、これはA2って書いてるじゃないか。俺のミスじゃない」 職員A「でも、ここにA3って書いて・・」 乗客A「サインペンとボールペンじゃ、サインペン書きを見るのが常識だろうに。それに、搭乗案内のアナウンスも無かった」 お互い困った顔になった。今度は職員が代わった。 職員B「明日なら当社の便への変更が出来ます」 乗客A「ダメダメ、今日じゃないと」 職員B「残念ながら、今日の便はもうありません。しかし、他社の便ならあります。それで良ければ手配します。・・但し、他社便ですので、航空券の購入は必要です。当社の航空券は、購入先で返金可能です」 乗客A「それでいいよ」 こっちにも後ろめたいところがあったし、返金もあるのだから良いだろう。 又もや3時間ほど待ち時間が発生した。ビールを飲み、昼寝をしながら待つことにした。今度は乗り損なう恐れはない。なぜなら、空港職員が今度は乗り遅れないようにと、ずっと見守っていれていたからだ。
![]() バスの出発時刻は19:30。ここでも何もすることもなく4時間近くを費やすことになった。暇なのでバスチケットを眺めていると、あることに気が付いた。チケットを購入したのはBARUNA TRAVELなのだが、この会社のロゴマークがMicrosoft社(MS)のそれと同じなのだ。恐るべしMS社、ここのロゴをパクるとは・・。 やることはない。ただ、市内をうろつくだけだ。ジャカルタの交通状況は聞いたことがあるが、ここプカンバルでも遠からず近からずのようだ。バス、車、バイクがひっきりなしにエンジン音とクラクションを轟かせている。それに、市内の目抜き通り(のはず)にはいたるところに水路用の穴が大きく空いていて、そこがなぜかゴミ捨て場になっている。ガーデンパークと名付けられているシンガポールでも、少し路地裏に入ると小汚いところがあるのだが、この比ではない。 食べれる時には食べる。このスタイルが旅行には大事だと、私は常々思っている。移動に気を取られ、結局はレストランが閉まっていたりして、食事を抜くはめになった経験の多い私は、近くのレストランに入った。中に入ると、品の良さは隠せないらしく、奥の冷房の効いた部屋(VIPルーム?)に通された。 この辺りの食事はパダン料理だ。皿に色々と料理を盛り、一気に出されるのだが、全ての料金を取られるわけじゃない。食べた皿の分だけが計算されるので安心して食べられるのだ。それに、いくら高そうなレストランでも、Rp20,000(\300)あれば充分な料理が楽しめる。 食後のコーヒーを飲みながらガイドブックを眺めていると、珍しそうに店員が覗き込んで来た。 上客A「これから、バスでパダンに行くんだよ」 店員A「ふ〜ん、パダンねえ」 上客A「ここからどれくらいかかるんだろうねえ」 店員A「う〜ん、多分、7時間くらいかな・・」 思った通りだ。バタムでは2時間と言われたが、そんなに早く着くとは思っていなかった。しかし、7時間とは結構かかるもんだ。 ![]() 予定時刻よりも若干遅れバスは出発した。想像していたバスとは違い、小さなバスだ。ただのワンボックスをバスと言い張るのはまだかわいいのだが、いかにも小汚くボロな車だ。それよりも困ったのは大人が3人並ばせられたことだ。それも私が真中で、身動きが取れない。それでも、まだましなほうで、最後尾の列には4人がギュウギュウ詰めになっていた。 確認の意味で今度はドライバーに何時に着くか聞いたところ、今度は所要5時間で深夜1:00との返事だ。いったい何時に着くんだろう・・。 インドネシアには交通ルールがあるらしい。このバスも例外ではなく、前を走る車には必ずクラクションを鳴らし追い越していくルールは健在だった。対向車が来てもチキンレースの如く、迫って行った。恐らく、彼は親の遺言で、前を走る車は追い抜くように言われたんだろう。 キャンキャン・・やってしまった。道路を歩いていた犬を轢いてしまった。気にせずドライバーは進む。 バッコーン・・対向車のドアミラーを壊してしまったようだ。気にせずドライバーは進む。 やがて、休憩時間となった。どうやらここはドライブインのようなところなのだろう。夜中にも関わらず、レストランやマーケットがあり、多数の車と乗客の姿があった。観光客が訪れることが少ないのだろうか、それとも私の出で立ちに魅了されたのか、好奇の眼差しを注がれてしまった。 いつしか山道に差し掛かり、腹筋を鍛える時間となった。山道でもスピードを下げないドライバー。右に左に身体が揺れる。堪えるのに腹筋を使ってしまう。まだパダンには着かないんだろうか・・。 |
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