スバン空港に着くと、まずはフライトスケジュールとにらめっこ。ペナンはもう出たし、コタ・バルはもう間に合わない。ランカウイはまだ時間があると・・。そうなると一番都合のいい便はティオマンかな。
早速チケット購入のためBER JAYA航空のオフィスを探す私であった。
オフィスでは予想もしなかった返事が「お一人ですか?ちょうど一席だけ空いています」どうやら運が良いらしい。別にどこでも良かったのだが、こうなるとどうしてもティオマンに行きたくなるから不思議だ。
プロペラ機に乗り込むと満席は本当だった、F/Sと書かれた座席はどうやらフリーシートのようで、早いもの勝ちで座席をキープできるようだった。マレーシアの国情を信用しないわけではないが、こんな時はわれ先にキープしてしまったほうが良いだろう。
相棒発見 |
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見知らぬところに来て、まず困るのはどこに行ったらいいのかわからないことだ。荷物を受け取った乗客たちは、くもの子を散らすようにおもいおもいの方角へ去ってしまい、行き先の決まっていない私はいつもの如く置いてけぼりを食らってしまった。
そんな時、助かるのは客引き(又は自称ガイド)だ。とりあえずは何処かに連れて行ってくれる。それから先はそこで考えれば済むことだ。但し、怪しい客引きには要注意だが・・。
早速客引きに声を掛けられた「サランへ行こう!きれいなところだぞ」・・サランってどこだろう?!
予備知識のかけらすら持ち合わせていない私は、彼の「20RM」の一言でサラン行きを決めてしまった。
連れて行かれたのは桟橋。どうやらサランまではスピードボートで行くらしい。それに後で知ったのだが、この20RMはボートのチケット料金のことで、サランでの宿代は別料金とのことだった。これまた大きな勘違いだ。それにしてもボート片道が20RMとはえらく高い!
その桟橋にはどこかで見た顔が・・そうだ!飛行機の中で隣席になった中国人だ。
彼と握手を交わし、たわいのない話
私「君もサランに行くのかい?」 彼「いや、僕はABCへ行く予定だよ」
私「ふーん」
彼「ところでサランっていいところかい?」
私「さあ、初めてだからよくわからないなぁ」
するとその中国人が日本語でつぶやいた「(僕もサランに行こうかな・・)」
私「!、日本の方ですか?!」
こっちも驚いたが向こうはもっと驚いたようだ。
ふたりでサランへ向かうのは当然(?)のことだった。 |
さびしいリゾート地 |
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サランはどこかさびしいところ。昔はリゾート地で名を馳せたのだろうが、今は昔の面影を残すのみで、なにかしらさびれたところだ。
ここでの宿は、SALANG INDAH RESORT HOTEL。といってもリゾートとは名ばかりの、これまたさびれたホテルだ。部屋にはシャワー・トイレはあるのだが、とてもリゾートなどと名前を付けるのは無理があると思うのだが・・
部屋を見た瞬間に「いいねえ、立派りっぱ」連れはたいそうこの部屋を気に入ったようだ。いつもはいったいどんなところに泊まっているんだろう?!まあ、私も気に入ったが・・
互いに素性の知れないふたりは、なんの躊躇もなくこの一室をシェアすることにした。
「モンキービーチへ行ってみようか」昼食後、どちらからともなく午後の散策が決まった。ビーチまでは、裏山から歩いて30分ほどで行けるらしい。気軽に出かけたこの山道、けっこう、いや、かなりきつい。ふだんからの運動不足の身では、アップダウンの厳しい山道はさすがに堪える。
昼間からビールを飲むんじゃなかったな・・
やっとたどり着いたビーチはこれまたさびしいところ。砂浜がわずかばかりに広がり、打ち寄せる波だけが聞こえるそんなさびしいビーチだ。それだけに、カップルが陣取っていたのがよくわかる。
さて、どうやって戻ろうか・・今からまた山道を登る気力もないし、かと言って泳いで戻るわけにも行かないし、ボートがやって来るわけって、本当にボートが来た!
しっかり金は取られたが、この場合は少々取られてもありがたいものだ。
連れ「明日は一緒にダイビングに行こうか」
私「えっ、ダイビング?!俺やったことないから遠慮しとくよ」
連れ「ふぇっ、しないの?じゃなんでここに来たわけ?」
私「う〜ん、なんとなく。空港に行ったらここに来てしまったんだ」
連れ「・・・・」
ここに来たいきさつを説明しても連れは合点が行かない様子だ。連れの話では、ここはダイビングスポットとして有名で、みなそれが目的で来ているらしいのだ。そんなことも知らずに来たなんて、不思議ふしぎ。
リゾートのはずれにあるチャイニーズレストランで、そんな話をしながら夜は更けていく。それにしてもここの料理は絶品だ。ここでこんなうまい料理を食べられるなんて思いもしなかった。その後、何度もここに足を踏み入れることになったのはもちろんのことだった。 |