カンボジア・・シェムリアップ(1) Jul 2005
 カムリ バンザイ
再発した持病の保養地シェムリアップに着いた頃には、フライト遅延の影響で既に深夜12時を回っていた。一緒に降り立った韓国のツアー御一行は次々に待ち構えていた大型バスに姿を消し、誰もタクシーに並ぶ姿が無い。ってタクシーが一台も無い。バイクタクシーの姿すら無い。待てど暮らせどタクシーはやってこない。近くに居たあんちゃんに尋ねると「もう遅いからなぁ・・」
アンコール・ワット
どうやら、この時間帯に到着するソウルからの便は韓国人のツアー客が中心、と言うよりもツアー客のみで、誰もタクシーを利用する客が居ないらしい。よって、タクシーも客待ちしても意味ないってんで、帰ってしまったらしい・・。
これは困ったことになった。もう背に腹は変えられない。ぼったくタクシーでも白タクでも何でもいい。とにかく、一人ここに残されてもしょうがない。

そんな私を見かねたさっきのあんちゃんが、親切にもホテルに連れて行ってやると言い出した。今回もホテルの予約を取っていない身では、このあんちゃんは信用出来る!との自分の勘に従うしか道が無い。
あんちゃんの運転で、市内へと向かうカムリ(東南アジアで多い日本車だが、ここではトヨタ カムリが断トツに多かった。何故なんだ?!)。
連れて行かれたのは、国道6号線東側地区に位置する「ホーム・スイート・ホームGH」。このホテルは、付近に街頭も無い代わりに、バスタブ、扇風機、そしてテレビまでが完備されていた。宿泊料金は$8で、事前にあんちゃんに話した予算で収まる金額で、テレビっ子の私にとって夢のような宿だ。

「どう?!気に入った?」愛想良く部屋まで案内してくれたあんちゃん。で、このあんちゃんにはいくら払えばいいんだろう。適当にここまでのタクシー料金を払えばいいんだろうか。ここまでの料金はいくら位が相場なんだろうか。そんな思案をしていると、「じゃね、ごゆっくり」去って行くあんちゃん。初日からカンボジアの親切に触れてしまった。
 カンボジア人になりたい
翌日、バイクタクシーをチャーターし、向かうのはいよいよアンコール・ワット遺跡群だ。世界遺産で知られるここアンコール・ワットは、ただ遺跡が一箇所に有るわけではなく、シェムリアップ周辺には多くの遺跡が有り、その遺跡を効率良く観て回るには、このバイクタクシー(またはタクシー)が重宝する。相場では、バイクタクシーは1日$8で、タクシーはかなり高めの$50だそうだ。暑い陽射しを避け、グループで回るならタクシーだいいんだろうが、一人のんびりと観光するには、安いバイクタクシーが調度良い。
定員無しか
途中、入場チケット売り場でチケットを購入しなければならない。1日で$20、3日なら$40、一週間なら$60とカンボジアの物価からすれば途方も無く高額な金額だが、その金額の一部を遺跡の修復や維持に向けるんだそうだから仕方無い。でも、既にカンボジアビザに$20も払っており、帰国時には出国税として更に$25を支払わなければならいことを考えると、とんでもなく痛い出費だ。

ここで勘違いが発覚してしまった。私はてっきり、アンコール・ワットに入場するにはチケットが必要で、他の遺跡ではチケットは必要無いと勝手に思い込んでいたのだ。そもそもこのチケットは、アンコール・ワットはもちろんアンコール・トムを含め周辺の遺跡群を指す「アンコール遺跡」の観光に必要で、このチケット無しでは入場すら出来ないのだ。現地の方はチケット不要らしいのだが、ネプチューンの名倉似で無い私には、カンボジア人に間違えられることは無いだろう・・。
 朽ちた遺跡となんでも$1
タ・プロームの大木
ジャングル・ワットとも称されるタ・プロームは、樹木に覆われた寺院だ。あちらこちらで大木が建物を呑み込んでいる姿が目に付き、これ程までに自然の力が凄まじいものかと思わせる。その自然の脅威を見せつける為、あえて修復を行わずにそのままの姿になっているんだそうだ。

静寂な中、この神秘的な佇まいをみていると、時間が過ぎ去るのを忘れる程だ。



コンクリで修復
幾たびの戦乱と風化により、数多くの遺跡がダメージを受けているのが判る。アンコール・トムやアンコール・ワットのような特に有名な観光地では、急ピッチで修復が進んでいるが、他の遺跡では、修復が全くと言って良い程進んでおらず、荒れるがままに任せている。また、修復を行っている遺跡でも、残念なことに朽ちた遺跡にコンクリをはめ込み、なんとも無様な姿を晒しているところもある。
ボランティアの手による修復も進んでいるそうだが、手に余るほどの遺跡には、全て手がまわらないのが実情だろう。

子供の物売り
さすがは、世界遺産でもその知名度が上位にランク付けされているだけあり、ここにも観光客目当ての物売りが多くいる。それが不思議なことに、何でも$1で売っていた。チンケな遺跡のまがい物、定番のはがきセット、レリーフを模った紙切れなどなどが全て言い値が$1均一だ。お釣りの要らないこの切りの良い数字は、なんとも都合の良い数字だ。

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