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アメリカ合衆国(6)・・ロサンジェルス |
JUN 1997
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自由の国アメリカを徘徊 |
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サンホセまでのフライトには「UA」のロス経由便を利用したため、前後2回もロスでの滞在を強いられてしまった。巷では治安の悪さが評判のため、あまり気乗りのしないトランジットだった。 まあそれはそれとして、せっかくの旅行を楽しいものにするため、結局はぷらぷらとダウンタウンを徘徊してしまった。...それだけならまだ良かったのだが。 |
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行きはよいよい |
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往路での次のフライトは夜11時発のため、あまりにも暇。とりあえず外に出たのだが、一緒に空港を出たはずの人達は皆送迎バス等でいなくなり、たった一人取り残されしまった。
今度はきちんと計画を立て行くことにした。誰かにバスの行き先を聞いてから乗るという当たり前の方法。行き先はとりあえずダウンタウン。
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えーとここはたしか |
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![]() どうやらここはアラメダ通り。ガイドブックにこんな風景が載っていたような気がする。
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なんか変 |
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今度は通り過ぎたダウンタウンの繁華街へ。ここは変な奴がいっぱいだ。歩道にあった誰かの飲みかけのコーラを飲んでいる奴がいる。ホームレスもいっぱい。東京のホームレスの方がよっぽどごぎれいな格好をしている。とにかく、汚い身なりだ。それに周りを見回すと、白人が居ない。黒人かヒスパニッシュ系ばかり。別に人種差別をするわけじゃないが、これじゃあ犯罪が起こりそうな気がする。 |
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帰りは怖い |
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往路では2度目のロスということもあり、なんとなく土地勘をつかんだつもり。バスターミナルに立つと目の前の看板にハリウッドの文字。今は午後4時まだ明るい、迷わずバスを待つ。 運ちゃんの名前はミラー。しぶい黒人。俳優みたいな声で、次の停留所をアナウンスしている。でも、しぶすぎてわからない。どこまで来たんだろう。地図を見ても見当がつかない。その時ミラーが「メルローズ」と言った。標識をみると確かにメルローズ。ここは繁華街のはず、あわてて降りる。 どうやら又また道に迷ったようだ。ハリウッドは広すぎてわからない。いくら歩いても人通りがない。なんとなく日も落ちてきた。まずいことにまだ今夜の宿を決めていない、フライトは明日の11時。今日はどこかに泊まらなければ大変なことになる。まさかロスの夜を彷徨うわけにはいかない。なんとか宿を確保しなければ... |
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さみしいロスの夜 |
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バスでホテルを探すつもりだったが、日が暮れて全く道がわからなくなった。いつの間にか繁華街からはずれ、さみしくなってきた。適当にバスに乗れば、チャイナタウンかリトルトーキョーを通るだろうと思ったのが甘かった。通ったかもしれないがわからなかった。 | |||||||||||||||
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こんな時に限ってバスが全然来ない。通りすがりの車の中から声を掛けられる。通りの向こう側では大声でこっちを呼んでいる奴がいる。黒人の大男がラップを踊りながら近づいて来る。正直いって恐い。もう9時だ、いったいバスは何時まで運行しているんだろう。 |
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快適な宿 |
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早くホテルを探さなくてはならない。疲れた、横になりたい。いいかげんに家に電話しなくちゃいけない。タバコも無くなった。腹も減った。どこか安全な場所へ行きたい。...一瞬、全ての条件を満たすところを思いついた。 乗り換えたバスに、一目で日本人とわかる女の子2人が乗り込んで来た。姉妹ふたりの旅行で、これからホテルに帰るそうだ。妹の方は英語ペラペラだ。私が言う「もう今からホテルを探すのは止めて、空港で一泊しようかと思ってるんだ」姉が言う「そうですよね、空港の方がかえって安全ですよね」。...大きなお世話だ。 しばらくして、彼女たちとお別れ。ホテルの送迎バスに乗り込む彼女たちを見送る私に「じゃあ、気をつけて」と優しい言葉。そのとき私の脳裏では「ちょっと待てよ、俺も連れてってくれよ。ホテル代くらいあるよ(カードは使えないけど)、お前らだけいい思いしやがって..」。貧富の差(?)を感じ、一瞬犯罪者の心理がわかったような気がした。 空港では先客が3人、いや仲間が3人もいて安心。もう11時、なにもせず静かに隣で横になる。 |
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音信不通なり |
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翌朝4時に目覚め(本当は痔が抜けてしまった)。さわやかにトイレで歯磨き洗顔していると、後から用を足しに入ってきたはずの白人男性があわてて出ていってしまった。なにか勘違いしたんだろうか。まさか密室で私から危害を加えられるとでも思ったんだろうか。 「出張だ」なんていいかげんなことを行って家を出たのはいいが、よんどころない事情が重なりまだ家に電話の一本も入れていない。電話をするなら今がチャンス。ちょうどあたりに人影なし、その上搭乗アナウンスも無し、更に日本時間は今は夕方のはず。条件は全て揃っている。 なんと不親切なことだろう。空港の電話はカードしか使えない。他の電話はどうだろう。ダメだ、どの電話もカードしか使えない。もたもたしていたら搭乗アナウンスが始まってしまった...もう止めた。
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あれっ、あんた誰? |
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10時過ぎ、今度は夢を見る。空港の屋外喫煙所でタバコを吸っていると、見たことのある東洋人がいる。他人のそら似だろうか、いや違う確かに見覚えのある顔だ。ちょうど私のフライト日に結婚式を挙げ、翌日マイアミに行ったはずの会社の先輩だ。
「なんでここにいるの?」 「トランジットでここに居るんだ。で、お前こそなんで?」 こっちも驚いたが、向こうはもっと驚いている。当然か。
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