ロシア(4)・・モスクワ | Nov 2004 | ||||||||||||||||||||||||
どうしたんだアエロフロート |
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今回のカイロ旅行で利用した航空会社は格安の大御所「アエロフロート航空」だ。搭乗前から高まる期待。はて、間違えて乗り込んでしまったかな。日系の機材と見紛う程の新しさで、ダークブルーとオレンジを基調とした内装は、いったいどこの機材だろう。5年前に乗った時は、国際線とは思えないような、まるで地方の路線バスのような機材でギシギシと音を立てていたのに・・。 カイロからのフライトがモスクワに着くのが朝7時、成田への帰国便のフライトは夜7時過ぎってことは、まるまる12時間もあの薄暗い空港で缶詰状態にならなければならないのか。なんとかこの12時間を有効に使えないものか。と調べたところ、今のロシアではトランジットビザなるものが有るそうで、それさえ入手すれば時間潰しのついでにモスクワ観光もできちゃうんだ。 開放ロシアの政策もここまで変わってしまうと、鉄のカーテンは死語になってしまったんですね。 それにしても、今回の旅行は実にタイトなスケジュールだった。ベッドに横たわったのはたったの2回。短い期間でカイロまで行くのに、その殆どが移動だってのが辛いやね。
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ロシア美人の洗礼 |
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寒い寒いモスクワに着いたのは、早朝の7時。夜が未だ明けきらない冬の空は暗く、この時期特有のどんよりとした天候だった。入国審査に並んだ日本人は私一人だけで、並んだ人の少なさの割りには、やけに長い時間が掛ってしまった。税関審査では、頑張って書いた税関申告書を誰も見てはくれず、仲間とダベっている係官の脇をただ素通りするしかなかった。 さて、いくら両替しようか。両替所の前で一瞬の思案を巡らせたその時、眼を見張るようなロシア美人が私の前に現れた。ではなくて、私の前に割り込んで来た?!・・。順番を守らないロシア人。その後、何度もこのような割り込みを受けたが、割り込んだ人は当然として、割り込まれた人も怒るどころか全く気にしないってのはどうも良く判らない。配給で並ぶことに慣れてしまったのかロシア人。 一歩外へ・・そしてまた空港内へ。あまりの寒さに引き返してしまった。外は零下10度の世界。上着を着込み、帽子を被り、手袋までした完全武装のハズが一瞬で玉砕されてしまった。フライトまでここに居ようかな |
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ロシア語のお勉強 |
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空港前のバス停付近、目指すは「レチノイ・バクザール」。モスクワでの目的地は、当地最大の観光名所クレムリンだ。HPで調べたところ、まずはバスで空港から最も近い駅の「レチノイ・バクザール」まで行き、次は地下鉄でクレムリンの最寄駅まで行くのが最も安上がりで簡単な方法との情報だった。 バス待ちをしているおっさんに駅までのバス停が何処か尋ねると、このおっさん、突然走っているバスを追いかけ停めてしまった。たまたま目の前を走っていたバスが、実はその駅行きで、私の為に停めてくれたのだ。ロシア人には親切な人が多いと聞いたが、最初に話しかけた人がこれ程までに親切とは、「スパスィーバ(ありがとう)」おっさん。 バスの車内で切符売りのオバさんから切符を購入し、あとはのんびりと、駅に着くまで車窓からモスクワの冬景色を眺めながら・・と思ったのだが、この寒さで完全に凍り付いた窓は、息を吹きかけても頑として融けるそぶりさえ見せなかった。40分程バスに揺られていると、一斉に乗客が降りたった。そこが「レチノイ・バクザール」だった。 自動改札で何故か読み取ってくれない地下鉄の切符。何度やってもダメで、駅員のオバさん(たぶん)に切符を見せると、このオバさん、おもむろに私の切符を破いて捨ててしまった。どうぞお入りと促すのは良いが、これじゃ無賃乗車になってしまう。降りる時はどうすれば良いんだよぅ。 さて、困った。クレムリンに行くには、どの駅で降りれば良いんだろう。切符を購入する時は、適当に「クウェームリ」と言ったら理解してくれて、最寄駅までの切符を売ってくれたのだが、そもそも「クウェームリ」という駅が存在しないのでは、降りる駅は判らない。 車内に掲示された地下鉄路線図でおおよその見当を付けてみたところ、どうやら乗り換えが必要らしい。だが、駅名が理解出来ないのだから、どの駅で乗り換え、どの駅で降りれば良いのかが判らない。ロシア語の読めない私には「Э」「Д」「И」のような文字が記号にしか見えない。親切にも車内放送で駅案内もあるのだが、ただでさえロシア語が聞き取れないのに、座席からずり落ちそうなほど揺れる車両の振動で殆ど聞こえない。 いったい今は何処を走っているんだろう。昨夜の機内泊で疲れた身体を襲う睡魔。余程治安が良いのか、眠りこける乗客たち。私の思考能力はどんどんと落ちていった・・。 降りたのはクレムリンに程近いレーニン図書館駅。記号?!を頼りに、小さな勘と大きなロシア人の親切さに支えられ、なんとか無事にクレムリンに辿り着くことが出来たのでした。 |
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このチケットは何?! |
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クレムリン入場の為のチケット売り場窓口は閉ざされていた・・。今は9時過ぎ、定時にしか開かない窓口の次の販売時間は10時。ってことはあと1時間近くも先じゃないか。降りしきる雪の中、たたずむ私でした。 割り込む奴らを必死にかわし、やっとの思いで窓口に到達したのは良いが、どのチケットを買えば良いのか皆目検討がつかない。黙って金を渡すと、渡されたのはダイヤモンドなんとかと書かれたチケットが1枚。他の観光客が持っているチケットも同じだ。きっとこれでクレムリン場内に入れるんだろう。 まるでTDLの順番待ちをしているような人々と共に入館したのは「武器庫」。チケット販売のみならず、入館にも時間指定があり、更に1時間近くも待たされての事だった。 日本では、 「武器庫」と紹介されているが、数多くのロシア歴代のツァー(皇帝)の王冠やら衣装、キンビカの馬車、眼の眩むような色とりどりの美術品が展示されている様子は、むしろ「宝物館」と呼ぶほうがふさわしい。 さて、次は他の施設も見てみようと思い「武器庫」を後にしたのだが、ここで大きな勘違いが発覚した。このチケットで入れるのは、ここだけで、他の施設に入場しようとしたらミリツィア(民警)に追い返されてしまったのだ。てっきり(勝手に)このチケット1枚で全ての入場が出来ると思っていたのに・・。350p(約¥1300、1p=約¥4)もしたのに! |
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憩いの広場 |
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クレムリン城壁に沿い歩いていると、人の流れがあるのに気が付いた。人の向かう先、そこは「赤の広場」だった。ロシアがその昔、アメリカと共に2大国として君臨していたソビエト連邦を知る私にとって、イメージとして植えつけられたのは敵対国。その象徴である場所に、今自分が立っていた。 楽しげに歩くカップル、和やかに写真を撮りあう人々、結婚式の途中なのかウェディングドレスを纏った新婦と新郎、そしてその仲間たち。皆が楽しげに行き交っていた。ここ「赤の広場」はロシアの憩いの場所だ。 Я сейчас путешествую. Я хочу есть. |
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