台湾
台湾・・台北(2) Feb 2009
 九分でタイムスリップ
レトロな茶店九分の入り口の目印となるセブンイレブンを見つける頃には、雨脚が一層強くなっていて、靴には雨が染みて来た。気持ち悪いが、それよりもトイレを探さなくちゃ。

時間は9時過ぎ、まだ朝早いので、訪れる観光客もまばら。まだ開店準備中の店もチラホラだ。
九分は、海を臨む山の斜面に沿って街が作られている。台湾なので土地柄、中国風の建物と思いきや、日本家屋や洋館などが立ち並び、異国情緒が漂っている。いかにもレトロな雰囲気を醸し出しており、タイムスリップした錯覚を感じてしまう。
九分の街並み

どこか古き時代の日本を思い出させるせいか、日本人も多く訪れている。行き交う日本語を聞いていると、地元の台湾人よりも日本人のほうがむしろ多いくらいだ。

メインの通りは狭く、その両側には土産屋、雑貨屋、茶店などがビッシリと軒を連ねて賑やかだ。なのに、ちょっと路地に入っただけで、喧騒から離れひっそりとしている。あまりの静けさで、まるで誰も居ないかのようだ。
坂の多い九分



「九分」の名前の由来は、もともとこの地にはわずか9世帯しかなく、物資を調達する際には、9世帯分をまとめて調達していたのが由来とされている。その後、19世紀末に金鉱が発見されると、ゴールドラッシュで人が押し寄せ、一気に世帯数が三、四千世帯に増え、人口も数万人に爆発的に増えてしまったそうだ。しかしその後、金の際採掘量が減ってしまい、1971年に金鉱が閉山されてしまうと、忘れられたように取り残されてしまい、当時のそのままの姿が残っているそうだ。

ここは、ベネチア映画祭のグランプリ作品でトニー・レオン主演「非情城市」の舞台となった場所。まるで映画のセットのような街並みの中に居ると、ロケ現場に迷い込んだみたいだ。
肉団子のお店
昼近くになると、観光客が溢れて来た。行き交うにも傘が邪魔で思うに進めない。そこに更に車が通せんぼするもんだからたまったもんじゃない。これが晴れた日だったらどんなに混みあうんだろう。

さてと、九分の観光はここまで。もっとゆっくりと過ごしたいのだが、いかんせんリーマンには時間が無い。
今回の旅程は2泊3日。往路は深夜着で復路は早朝便。ってことは、正味は今日一日しか時間が無いんですわよ。

名物?オバさん

台北までの帰りは電車で行こうと思い、瑞芳駅までバス(21元)で向かったが、タイミング悪く、次の電車時間には一時間以上も有る。時間潰しは慣れているのだが、なんとも時間がもったいない。
すると、観光案内(らしい)のオバアさんが日本語で話掛けて来た。「台北に帰るんでしょ。だったらバスで行きなさい。今バス停まで連れて行ってあげるから。バス代は72元だから」。まるで子供扱いだ。
遠慮する私を軽くいなし、結局はバスに乗り込むまで一緒に待っていてくれた。「(バスが)来た来た。運転手さん頼むわよ。早く乗って!」ちょっとお節介なオバアさん。恥ずかしからもう止めてえ。

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