中国・・福建省 May 2010
 土楼の王様 承啓楼
翌朝、窓を打ち付ける雨音で目を覚ました。もう笑ってしまうほどの雨男だ。オジさんが動けば雨が降る構図は、ここ廈門でも変わらないようだ。
今日は朝からバスで、310kmほど離れた永定県に向かい、福建土楼の観光だ。
オジさんが参加したのは、2泊3日観光付きツアー。更に全食付き。もちろん、観光地への送り迎え付きだ。
承啓楼入り口
昨夜の失態を繰り返さないように、早速両替しようとしたが、フロントで信じられないことを言われてしまった。なんと、両替は一万札しか受け付けないと言う。お土産を買う必要も無いしそのつもりも無い。ましてや全食付きなので食事で人民元を使う必要も無い。

中国では、両替してもその半分しか再両替出来ないという勝手なルールが存在している。次にまた中国に来るかどうかも判らない。とりあえず今日は終日観光なんで、現金は必要ないだろう。両替を見送りバスに乗り込んだ。


承啓楼内部トイレ休憩や土産物屋への立ち寄りを挟みながら、いつくかの山を越え、4時間近く経つと「承啓楼」が見えて来た。この頃には雨も上がり、太陽が顔を覗かせていた。「承啓楼」は、福建土楼の中で最も規模の大きな土楼で、観光客が必ず訪れる所だ。

土楼は、客家が一族で居住する為の集合住宅だ。外敵から守る為の分厚い外壁や、一つしかない出入り口などのさまざまな工夫が施されている。その為、同胞意識が強くなり、今でも共同体を営んでいる。

付近には、100を越す円形土楼が林立しているそうで、米ソ冷戦時代の昔には、アメリカの偵察衛星から軍事基地ミサイル発射基地と誤認された逸話もあると言う。

そんな要塞のような外観とは裏腹に、中では今でも人々が活気にあふれた生活を送っていた。建物は4階建て構造で、1階は台所と食卓、2階は食料貯蔵庫、3・4階が居住空間として使っているそうだ。当たり前のように洗濯物が干してあり、その中には無造作に下着もあった。
承啓楼上から
が、その生活感丸出しな様子に却って違和感を感じてしまったのは私だけだろうか。観光地化されてしまったが故に、観光客が我が物顔で他人の家に入ってくるような気がしてならない。人々の生活に土足で踏む込んでいるような気がしてならない。

中国人の団体客がやって来た。ただでさえ声が大きいのに、ガイドが拡声器を使ってがなりたてている。それでもガイドの説明を無視し、拡声器に負けない大きな声で話す彼ら。わざわざゴミを撒き散らす彼ら。
ここの住民は、そんな彼らをどんな思いで見ているんだろう。

ふと、足元にうずくまっている子供がいた。一点を見つめたままじっと動かない。具合でも悪いんだろうか。心配してよく見ると、うずくまっているのでは無く、しゃがんでいた。ケツを出してオマルに跨っていた。なんでわざわざ外でウンチするんだろう。天気が良いからなんだろうか。

 客家料理食べてよ
客家料理昼食は客家料理だ。土楼民族村に移動し、ここに住んでいるオバさんの手料理をご馳走になった。
しかし、せっかくの客家料理を目の前にしても、残念ながら、ツアー客は箸が一向に進まない。ガイドの手違いか、民族村に着いてすぐには食事にありつけず、しばらく待たされてしまった。その間に目の前で調理風景を見てしまったからたまったもんじゃないだろう。
お茶を売るアイドル





日本の保健所だったら、絶対に許可を出さない衛生面での管理の悪さ。それに、にわとりが徐々に解体される姿は強烈だったかも。
結局バクバクと食べたのはオジさんだけで、他の方々はちょこっと味見をしただけで食事を終えてしまった。新鮮食材で美味しいのに。

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