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チュニジア(2)・・サハラ | Dec 1999 | ||||||||||||||
まずはトズールへ やはりバスが一番 |
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とりあえず行き先をトヅールに決め、バス・ステーションで長距離バスの出発を待つことにした。定刻前に乗車すると、まばらな車内に観光客は私一人で、他は皆チュニジアの人たちだ。さすがに、冬のラマダーン時期に観光する人はいないようだ。
定刻通り出発したバスは、走り出してから2時間もしないうちにレストランの前で止まってしまった。夕暮れが近いところをみると、どうやら食事の時間らしい。
間もなくパトカーがやって来て、作業の間交通整理をしてくれた。さすが本職だけあってすばやい対応だ。ここチュニジアでは、警察官の数がやけに多い。チュニス市内でもかなりの数を見たが幹線道路でも頻繁に目撃した。アフリカでも屈指の治安を誇り、経済面でも特に大きな不安材料のないこの国では、公費で賄う警察官にも困らないようだ・・。
タイヤ交換の作業がやっと終わりバス戻ろうとすると、手が汚れているのに気が付いた。当然皆も汚れていることだろう。風邪薬を飲むために買っておいたミネラルウォーターで自分の手を洗い、ついでに皆の手も洗うと、さっきまではどこかの東洋人だが、いつしか仲間になったような気分だ。同じトラブルを解決した仲間
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そしてドゥーズへ 乗合タクシーもいいぞ |
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トズールに着いたのは深夜になってしまった。当初の到着予定時間を過ぎてしまったのはパンクが原因のようだ。
![]() 勘を頼りにバスターミナルから街に向かって歩いていくと、なにやらかホテルらしき建物を発見した。方向音痴の私としては上出来だ。ホテルの名前はHotel Aicha、やや古ぼけた部屋だが、中は広くゆったりとしていて落ち着く雰囲気だ。 ここでの朝食にはフランスパンとネスカフェ&ミルク。もともとフランスパンは好きじゃなかったのだが、ここのパンは絶品だ。パンを食べる目的でだけここに泊まっても良いと思わせる程のおいしさで、思わず食べ残してしまったパンを荷物にねじ込んでしまった。 チュニジアのほぼ真ん中に位置するトヅールは隣国アルジェリアとの国境も近く、内陸部としては珍しく大オアシスが広がっている。更にはフランスやベルギーからの直行便がある国際空港を抱えた交通の要所でもある。 次の目的地ドゥーズまではルアージュ(乗合タクシー)を乗り継ぎ移動することにした。
塩湖を過ぎ、途中ケビリでルアージュを乗り継ぎドゥーズまできたのは昼過ぎだった。昼といえばもちろん昼食なのだが、ラマダーンの街では当然開いているレストランなどあろうはずもない。
どこへ行くともなく散策していると、自称ガイドと名乗る客引きに声を掛けられた。「サファリツアーに行かないか?」話を聞いてみるとこうだ。今から2時間後にここをタクシーで出発し、途中でラクダに乗り換えてサハラに行き、そこで一泊し翌朝にまた同じルートで帰ってくる。当然、翌朝にはタクシーで迎えに行く。それで値段は30D(約¥2500)だという。願ってもないことだ。はるばるサハラまで来てラクダに乗り、更にはその大地で一晩明かすなど夢のようだ。
ツアーの時間までの間にまたも街を散策し始めると、今度は別の客引きが声を掛けてきた。「サファリツアーに行かないか?」内容は同じようだ。「もう別のガイドに頼んだから・・」それでも相手は納得しない「それはどこのツーリズムだ?きっとモグリで危ないぞ!俺のところは公認だから安全だ。ほら」と差し出された名刺を見ると・・なんか見たことがある。HOTEL
EL HOUDOUと書かれた名刺って、さっき貰ったのと同じじゃないか!
後ろから老人の嘆きが聞こえるような気がした「近頃の若いもんは・・」。それもそうだろう、近頃ではアラブの国ではますます西洋文化(帝国主義というらしい)が流入し、物理的にも精神的にもイスラム文化を固持するのが難しくなっていると聞く。そもそもイスラムの世界と西洋の世界では、生活基盤となる思想事体が異なるのだから、大きな矛盾が発生するのも無理がない。
ふと気が付くと床屋を発見した。日本で散髪をすると結構な金額になるのだが、他ではそんなにしないだろう。中を覗くと店内は結構混んでいた。混んでいるだけあって腕は確かなんだろう。
痛たたたっ、こんな髭剃りは初めてだ。髭剃りまで頼むんじゃなかった。濃い普通のヒゲは刃物で剃るのだが、産毛の処理が違う。細い凧糸のようなものを取り出したと思うと、あやとりをするように器用に手に絡めてゴリゴリやる。糸と糸の間に挟まった毛が引っ張られて抜けるのだ。だから・・痛い!
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いざサハラへ ラクダはどうかな |
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約束の時間よりも30分も前に待ち合わせのツーリズムに行ったのだが、もうタクシーが待っていた。時間前に来るとは思いもしなかった。あわてて乗り込むと、ツアー客が私一人だけのサファリツアーの始まりだ。
街を少し離れるだけで景色は一変した。砂と石だらけの荒涼とした大地が広がり、行き来するのは車の他にラクダまでもが道路を渡っている。途中、ベドウィンらしき住居で一人ピックアップし、更に車は進む。ちょうど舗装道路が途切れたところに別のベドウィンの住居があり、そこでガイドを付けてもらった。どうやらさっきの男は人足頭のような存在らしい。
これからサハラに向かうというのに、ラクダはちょっとお馬鹿さんだ。人の言うことを聞かずに勝手に動くし暴れ始めた。
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