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エジプト(1) | Nov 2004 | ||||||||||||||
エジプト遠征48時間の旅 |
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所詮、私はサラリーマン。それ程仕事が忙しくないハズなのに、休暇はそうそう取れるものではない。それにしても、6泊7日の旅程でエジプト滞在時間がわずか48時間とは・・。 今回使用した航空会社は格安路線の定番、ロシアのアエロフロート航空だ。やっぱり安いが一番!シーズンオフのこの時期には、5万円を割り込む料金もお目見えした。でも、この時期、北アフリカ路線を大幅に減便してしまった理由から、日程の都合上、どうしてもこの短期日程しか組めなかったんでしょうがないやね。 ![]() 交渉を打ち切り、次に待ち構えていたタクシードライバーにホテルを紹介して貰うことにした。もちろんボラれるのは承知の上だ。いくらボラれてもたかだか2、3泊するのにインターネット等で予約出来るホテルよりは安い料金で泊まれるだろう。その為に敢えて予約を入れずにここまで来たんだから。 それにしても、何人かの旅行代理店のスタッフなる人物(中には政府公認とか)の付けている証明書バッジって、どれもこれもアラビア語でしか記載されていないんですね。外国人相手なら、せめて英語だけでも記載するほうがいくら嘘でも信憑性が高まると思うんだけどね。 |
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カイロの罠にはまる |
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私の宿選びの条件は唯一つ、ホットシャワーが出ることだけ。少々汚い部屋だろうが、バスタオルが無かろうが、トイレに芳しい香りがあろうが気にしない。ましてや、TVなどの高級な設備は望むべくもない。ホットシャワーが出れば良い。旅の疲れを癒すには、ホットシャワーの一つあれば良い。 深夜2時、タクシードライバーに連れられてやって来たのは、ラムセス地区のマギーホテルだった。ここでの宿泊はフライトの都合上、エジプト出国が深夜便の為、実際に泊まるのは2泊なのに、予約は1泊余分な3泊となってしまった。それにしてもこのホテル、唯一の条件を満たすだけの小汚いホテルだ。ホットシャワーが出るから良いものの、備品は皆無で、石鹸のカケラすら無い。しかし、この唯一の望みが後に絶たれることになろうとは・・チェックインの際にはちゃんとお湯出し確認までしたのに。 で、ここは何処なんだろう。ただでさえ、方向音痴には自信が有る私にとって、初めての場所の現在地が皆目見当が付かないのでは困る。明日の観光移動に備え、疲れた身体を休める前に確認しておきたかった。いったいラムセス地区ってカイロの何処にあるんだろう?! ここは、巣窟なり、私は迷い込んだ旅人。ホテル側にすれば、飛んで火に入るなんとかで、地理案内を頼んだだけなのに、わざわざ来た獲物を逃すまいと執拗に観光ツアーを勧誘してくる始末だ。私の僅かな滞在日数を知ると、その執拗さはエスカレートを増し、不安を煽るような言葉を続けた。 ![]() しかし、だんだんと不安になって来た。初めての地で自由な移動が出来るんだろうか。彼の言う通り、一歩外に出ればバスでは財布をすられ、タクシーに乗れば乗ったで思いっきりボったくられ、おちおち観光どころではないばかりか、僅か2日間では折角カイロまで来たのに、あっと言う間に時間だけが過ぎてしまうだけなのだろうか。私ももう40を越してしまった。さすがに、いつもの行き当たりばったりの旅行は体力的にもキツイかも知れない。ここは素直に、このツアーに参加するのも良いかも・・。 疲れた身体をベットに横たると、頭に浮かぶのは妖艶なダンス嬢の姿。ツアー勧誘の殺し文句「最後は、ナイルクルーズで美味しい料理とベリーダンスで締めくくりだ。ベリーダンス最高だよ。エジプトまで来てこれを見ないってのは、ホント残念だよ。」これはさすがに効いた。全くその気がなかったハズのツアー参加が大きく揺らいでしまった。ツアー参加へと傾いた理由は、衰えた体力のせいなんかじゃなくて、ホントは・・ それから2時間。考古学博物館の入館料はまけろ。ダメならサッカーラの入場料だ。それから、10$まけろ。じゃ5$ならどうだ。延々と朝の4時頃まで値引き交渉を繰り返し、部屋に入った頃には、もうすぐアザーンの調べが聞こえてきそうだった。 |
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サッカーラのインチキ親父 |
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![]() ツアー最初は、定番のカイロから10k程離れた場所にあるサッカーラ遺跡見学だ。移動にタクシーを使ってのツアーメンバーは、ニュージーランドからの学生2人と私、それにガイドとドライバーの総勢5人だ。この学生、意外やリッチだ。カメラはミノルタのデジカメOptioS、財布には高額紙幣がびっしりで、どこぞのボンボンではなかろうか。 朝からサッカーラは観光客で賑わっていた。日本語はもちろん、英語、フランス語、スペイン語とありとあらゆる人種と言語のるつぼと化しており、世界有数の観光地を見事に知らしめてくれた。とりわけ多いのが天下の日本人ツアー客で、地を這うような景気が嘘のようだ。 ![]() ここで困ったことが勃発してしまった。私は頻尿、ここまで来てお小水をほとぼらせたくなってしまった。が、ここにはトイレが無い。ましてや、あまりにも観光客が多く、どんなに遠くに行っても必ずや彼らの目に入ってしまうのは必至だ。そんな姿を見られたら、蔑みの目で見られるはもちろん国辱をさらしてしまうことだろう。私に残された手段は唯ひとつ、遺跡の影で放尿することのみ。ってやっぱり見つかれば国辱どころか末代までの恥ですな。 ![]() 各種ガイドブックにも要注意として掲載されているこの手の輩には、さすが観光客も誰も相手にしていない様子だ。写真を撮ってやると今度は「乗って乗って。これもタダ」と私をロバに乗せ、勝手に人のカメラで写真を撮り始めた。挙句は、ロバを強引に歩かせ人の静止を無視して歩かせ始める始末だ。ホントこれって定番中の定番。 「バクシーシ、バクシーシ」の声を無視して歩き出すと、今度は「このロバにバクシーシ」。するってーとなにかい、このロバはイスラム教徒で毎日欠かさずに礼拝を行って、ラマダンにはしっかりと断食までやってるんですかい。えっ、おっさん。 |
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