ミャンマー
ミャンマー(5) Jun 2007
 ミャンマーのお洒落事情
なんか楽しそうに働いている一時間掛かって登った道も帰りには下りでわずか45分。麓のヤテタウンに戻るやいなや雨が降って来た。雨宿りしながらキンプンまでのバスを遅い昼食をとりながら待つこと2時間。そのころには、雨も上がり、結局は運が良かったようだ。

「タナカ」って誰だ。ミャンマーじゃ田中さんって有名なんだろうか。初めてこの名を聞いた人はきっとそう思うだろう。ミャンマーの女性と子供はまず例外なく「タナカ」を顔に塗っている。
「タナカ」で決めた小僧




実際に「タナカ」の木があり、汁を抽出して粉末状にし、水で溶いて顔に塗るミャンマー風の化粧品だ。日焼け止めはもちろん、発汗防止効果もあり、更に蚊よけにも役立つと言われている。また、塗り方を自分でアレンジすることがお洒落にもなり、ミャンマーでは必需品となっていて、これひとつあれば重宝する。
私も、日本から持って行った日焼け止めを塗りたくり、子供相手に「タナカ」と称すると、よろこんでくれた。
 コオンでグロッキー
「コオン」売りのオジさんキンプンに別れを告げチャイトーへ。またもバスを利用してヤンゴンへ向かった。バスはもちろん日本の中古で、エアコンバスの表示はあるが窓は全開で突き進む。

ヤンゴンはさすがに首都だけあって、人通りも多く映画館や免税店(誰も居ない)もある。市バスもあり何故か「都バス」だ。

のんびり散策していると、道端でなにやら怪しげなものを売っているオジさんが目に付いた。
売っていたのは「コオン」。おっさんはもちろんのこと、僧侶までもがくちゃくちゃとやっているを多く見かけた。
手馴れた手つき

簡単に言えば「噛みタバコ」で、ミャンマーでは人気な嗜好品だ。
キンマの葉にタバコの葉や石灰、キンマの実などを好みに合せて調合する。噛むと舌先がしびれ、清涼感が広がるらしいのだが、他に歯が丈夫になり虫歯にならず、精神安定の効果や寄生虫の駆除にもなると信じられている。

試しにひとつやってみたのだが、清涼感が広がる前にあまりの気持ち悪さに思わず「ウッ」・・。残念ながら私には合わないようだ。
おまけにその辺の屋台で脂っこい料理をもの珍しさにハシゴしたせいか、腹具合も悪くなってしまった。
 ヤンゴンは今日も停電だった
ライトアップされたスーレーパゴタ街行く人々はのんびりとし、軍事政権下で暮らしていると思わせるような雰囲気は皆無だった。バスの移動でも、食事の際は誰かが親切にしてくた。
でも、それはあくまでも庶民の暮らしの中での話。街はずれのヤンゴン川でのこと、おもむろにカメラを取り出し写真を撮ろうとした瞬間、どこからともなくやって来たおっさんに写真撮影を禁止されてしまった。別に軍施設があるわけでもただの川なのだが、外国人は付近の立ち入りすら禁止だと言う。

夕方、街の中心にそびえるスーレーパゴタを眺めていると、若者二人連れが話しかけて来た。日本での滞在経験の有る彼らに誘われて、ちょっとだけ夜のヤンゴンに繰り出した。

夜のヤンゴンは停電だった。別に珍しいことではなく、毎日のように停電が起こるそうだ。道々に車半分ほどの大きさの重機が大きな音を立てながら動いているのが目に付いた。そう、これは自家発電機だ。電力事情のよろしく無いこの国では、停電がしょっちゅう発生するんでここでは必需品か。

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2007年9月、映像ジャーナリストの長井さんがミャンマー政府の治安部隊に銃撃され死亡した。
長井さんの冥福をお祈りします。

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