U 老人クラブの現状
1.
 老人クラブは全国三大運動の「健康」「友愛」「奉仕」を基本として活動を展開するとともに、「いわて銀河プラン21」を基軸とし、市町村老連及び単位老人クラブは活動の一層の充実に努めています。

2.
 平成29年12月22日、平成30年度政府予算案が閣議決定され「老人クラブ関係予算」は、25億9千万円となりました。
 これを平成29年度予算と比較して見ると2千万円の減額となります。
 補助金の仕組みは、都道府県・指定都市老連の場合は、国が1/2、都道府県・指定都市が1/2、市町村老連と単位老人クラブの場合は、国が1/3、都道府県が1/3、市町村が1/3の負担割合になっています。
 都道府県・指定都市老連には、@老人クラブ等活動推進事業、A健康づくり・介護予防支援事業、B地域支え合い事業、C若手高齢者組織化・活動支援事業に対する補助が、市町村老連には、@活動促進事業、A健康づくり・介護予防支援事業、B地域支え合い事業、C若手高齢者の組織化・活動支援事業、D市町村老連活動支援体制強化事業に対する補助が、また、単位老人クラブには、高齢者の社会参加活動・友愛活動・清掃活動・地域見守り・教養講座・スポーツ活動等の各種活動に対して会員数に応じた補助が行われています。
 市町村老連が行う活動のうち、特に社会貢献性の高い活動に対して加算が行われている特別活動事業には、@健康づくり(介護予防)事業、A地域支え合い事業、B若手高齢者組織化・活動支援事業、C支援体制強化事業などがありますが、この事業についての実施率が極めて低調に推移しており、国が確保した予算の未執行が常態化し、予算が減額される大きな要因となっています。
 したがって、今後、都道府県及び市町村における補助金の削減につながらないよう行政への働きかけを積極的に行い、補助金の有効活用を図るための取り組みを強化していくものとします。
3.
 本県の高齢者人口(65歳以上)は、397,507人であり、総人口1,254,807人に占める割合(高齢化率)は31.9%となっています(平成29年10月1日調査・岩手県人口移動報告年報。※高齢化率を求める際は、総人口から年齢不詳分を除いている)
 これは、全国の高齢化率27.7%(平成29年10月1日現在・総務省統計局人口推計年報)と比較すると4.2ポイント上回っています。
 高齢者人口が増加する一方で、老人クラブは会員数の減少に歯止めがかからず、憂慮すべき状況にあります。
 特にも、高齢化率全国上位の本県では「生活を豊かにする楽しい活動」「地域を豊かにする社会活動」を自らの活動として積極的に行動することが求められています。
 また、本会でも全老連が掲げる「老人クラブ100万人会員増強運動」に呼応して「県老連2万人会員増強運動」の取り組みを積極的に推進しておりますが、平成30年度は、本運動も最終年度を迎えることになります。県老連・市町村老連・単位老人クラブが力を合わせ目標達成に向けて努力してまいります。
4.
 東日本大震災から7年が経過いたしました。被災地では、災害公営住宅の整備や高台移転が進み、復興の兆も見えてまいりました。
 しかし、個々の生活再建や生業の再生は、まだ道半ばであり、被災者の方々が置かれている状況も様々です。
 また、仮設住宅や災害公営住宅に入居している高齢者の方々の閉じこもりや生活不活発病も依然として深刻な問題になっており対策が急務となっております。
 県老連では、今後も被災地に寄り添い、高齢者の孤立化や閉じこもりによる事故を防止し、新たなコミュニティでの生きがいづくりを支援してまいります。