新年へ結いのしめ飾り
紫波町の老人ク伝統の技心込めて
全68世帯に無料配布

紫波町小屋敷の老人クラブ・長栄会(佐藤国雄会長、会員八十人)は十五日、同町の小屋敷公民館で年末恒例のしめ飾り作りを行った。

農家の会員が持ち寄った稲わらを手慣れた技で縄に編み上げ飾り付けた。手作りのしめ飾りは地域の全世帯や消防屯所などに無料で配った。長年、地域で一緒に暮らしてきた会員らは、なじみの顔同士和気あいあい。結いの心で新年を迎えようと、楽しみながら作業に取り組んだ。

20年以上続く年末の恒例行事。今年は6080代の約30人が参加した。会員らは流れ作業で手際良くしめ縄を作った。藤原ツカさん(71)は「縄ないは小学生のころ、見よう見まねで自然に覚えた。近所同士、話をしながら作るのは楽しい」と次々しめ俺を仕上げていた。

 タイやえびすさま、扇などの飾りを丁寧に取り付け、しめ飾り70本余りが出来上がった。しめ飾りは小屋敷地区の全68世帯に無料で配布。水分公民館や消防屯所などにも配った。

 小屋敷地区は町西部の農業地域。しめ飾りはかって各世帯で手作りしていたが、縄ないの技術を持つ人が少なくなったことから同会が奉仕活動している。体調が悪く参加できない高齢者世帯もあるが、新年を迎えるための贈り物は感謝されている。

 佐藤会長(67)は「1年の始まりを地域が一体となって迎えるという雰囲気、伝統がある。会の活動は高齢者の交流の場になっており、楽しみながら作業し、地域に貢献したい」としている。

(地域の全世帯に配るしめ飾りを作る長栄会の会員たち)

(平成18年12月19日付「岩手日報」朝刊掲載)