<メインテーマ>
「のばそう!健康寿命、担おう!地域づくりを」
1.メインテーマ
「のばそう!健康寿命、担おう!地域づくりを」
〔健康寿命〕
○ 健康寿命をのばし、自立した生活、生きがいある生活の実現を目指します。
○ 仲間や地域の高齢者とともに継続的な健康活動に取り組みます。
〔地域づくり〕
○ 多世代や関係団体と連携し、安全・安心の住みよい地域づくりを目指します。
○ 元気高齢者の知識・経験・活力を生かす場づくり・機会づくりを広げます。
2.大会宣言事項の実践
少子高齢化と人口減少が同時に進行し、社会経済構造や人々の暮らしも変化するなど、社会保障制度の基盤を不安定なものにすることが懸念されています。
私たち老人クラブは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みを進めるとともに、高齢者、子ども、障がいのある方などすべての人々がいきいきと生活を送ることができる「地域共生社会」の実現を目指した取り組みを推進してまいります。
長引くコロナ禍の中で、老人クラブの活動ができない状況が続いていますが、徹底した感染予防対策を行い、会員の健康保持・増進を図るため、「新しい生活様式」のもとで創意工夫を凝らし多様なクラブ活動を展開していくものとします。
私たちは、「のばそう!健康寿命、担おう!地域づくりを」のメインテーマのもと、北上市で誓った次の大会宣言事項を実践してまいります。
第53回岩手県老人クラブ大会
一、高齢者の社会参加を働きかけ仲間づくりの輪を広げます
一、健康づくり・フレイル(虚弱)予防で元気高齢者をめざします
一、友愛活動を基盤に新地域支援事業と連携した支え合い活動に努めます
一、交通事故及び消費者被害の防止など、地域の安全・安心を守る活動を進めます
一、高齢者の尊厳が守られる諸制度・地域共生社会の実現をめざします
< 令和4年10月25日 >
U 事業計画の概要 |
(1)全国三大運動の推進
私たち老人クラブは、全国三大運動である「健康・友愛・奉仕」を基軸として多彩な活動を展開しています。超高齢社会を明るく、豊かで活力あるものにするため、今後も引き続き本運動の一層の充実に努めてまいります。
(2)老人クラブ関係予算
令和4年12月23日、令和5年度政府予算案が閣議決定されました。
「老人クラブ関係予算」は、クラブ数の減少等により、令和4年度より8千万円減額の24億1千万円となりました。一般会計予算総額は、過去最大の114兆円を超えました。一方、歳出の3分の1を占める社会保障関係費は36兆円を超えるなど、高齢化に伴う年金・医療・介護費用等の増加が顕著となっています。
(3)高齢化率の推移
本件の高齢者人口(65歳以上)は405,247人で、総人口1,165,600人に占める割合(高齢化率)は34.8%となっています。(令和4年10月1日調査・岩手県人口移動報告年報※高齢化率を求める際は、総人口から年齢不詳分を除いている。)これは、全国の高齢化率29.1%(令和4年9月15日現在・総務省統計局人口推計年報)と比較すると5.7ポイントも上回っています。
高齢化が進むことによって、高齢者の抱える問題や課題も複雑化しており、社会的孤立も増加しています。
高齢化率全国上位の本県では、「生活を豊かにする楽しい活動」・「地域を豊かにする社会活動」など、活力あるクラブづくりに努めなければなりません。
(4)会員増強運動(会員加入促進5か年計画)の推進
老人クラブは、会員減少に歯止めがかからず、将来を見通せない状況に陥っています。加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、老人クラブも大きな影響を受け、クラブ活動のできない状況が長く続いています。仲間同士のコミュニケーション不足や人と人との繋がりが希薄となり、閉じこもりによる「鬱」や「認知症」の発症リスクも高まっています。
会員減少が長く続くことは組織にとっても大きなダメージであり、最後は組織の消滅へとつながることが懸念されます。
会員増強運動は、老人クラブが存続できるかどうかに関わる極めて大事な取り組みであります。
本会では、このような状況を踏まえ、令和3年度〜令和7年度までの5年間にわたって取り組むこととしている「会員加入促進5か年計画」を強力に推進してまいります。
(5)長寿・健康増進事業の推進
平成25年度から岩手県後期高齢者医療広域連合から助成を受け、高齢者の健康増進の取り組みを始めて10年になります。
令和4年度の見込みでは約26市町村老連がグラウンドゴルフ・ゲートボール・健康ウォーキングなど、各種軽スポーツを通して親睦と交流を深めています。
コロナ禍にあっても、密にならないように参加人数や回数を減らすなど、「新しい生活様式」のもとで、創意工夫を凝らしながら取り組みを進めています。
令和5年度においても、後期高齢者医療広域連合に要望活動を行い、引き続き実施してまいります。
(6)健康づくり・介護予防活動及びフレイル予防対策の推進
近年、コロナ禍と相まって加齢に伴い、気力や体力が衰え、フレイル(虚弱)状態の高齢者が多くなっています。
2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、高齢者人口の3分の2を占めると推計されています。
私たちは、これまでも健康づくり・介護予防活動を積極的に進めてきました。
今後も高齢者が健康長寿の喜びを享受できるように引き続き健康づくり・介護予防活動に取り組むとともにフレイル対策も積極的に推進してまいります。
(7)老人クラブのあり方に関する検討委員会による検討結果の実践
高齢者人口は3600万人を超え、100歳以上の高齢者も9万人を超えました。
まさに”人生100年時代”の到来が目の前に迫っています。
今後、私たちは、人生100年時代を見据えた、老人クラブのあり方についても考えていかなければなりません。
また、会員減少に歯止めがかからない現況を打開するため、令和4年度に有識者・行政・関係団体及び実践者からなる「老人クラブのあり方に関する検討委員会」を立ち上げ、検討を重ねてきました。
令和5年度においては、検討委員会の検討結果を「提言」として纏めていただき、その具現化に向けて取り組みを推進してまいります。
(8)新地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の推進
介護保険制度の見直しによって、要支援者に対する訪問介護や通所介護が介護保険の給付対象から市町村が行う新たな地域支援事業(総合事業)に移行することによって、住民が主体となった多様なサービスを提供するシステムに替わりました。県内の市町村老連の実態を見ると「協議体」への参画状況はまだ2分の1程度に止まり、サービスの提供に至っては1市老連のみという状況で改善がみられていません。
これまでも市町村に対して老人クラブの地域資源としての有用性等について説明してきましたが、今だ、市町村からの情報提供は少ない状況にあります。
一方、単位老人クラブに目を向けて見ると、医療法人と連携し、住民主体の通いの場を作り「いきいき百歳体操」をはじめ、健康寿命の延伸のための取り組みが行われるなど、新たな実践例も報告されています。
要支援者の方々が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる地域社会を実現するため、本事業について引き続き推進してまいります。
(9)災害からの復興と被災クラブの再生
東日本大震災から12年が経過いたしました。
被災地は、今なお、厳しい環境に置かれており、心のケアなどソフト面についても引き続き支援する必要があります。
コロナ禍で、被災された高齢者の方々も孤立し、閉じこもりや生活不活発病が増加傾向にあります。加えて、被災された方々が終の棲家として入居したはずの災害公営住宅で孤独死が後を絶たないなど、憂慮すべき状況にあります。
近年、台風や豪雨災害が頻発し、その度に高齢者が犠牲になるケースが多く、災害弱者である高齢者の避難のあり方についても引き続き議論を深めていく必要があります。
県老連では、被災老連と連携しながら、被災地に寄り添い、高齢者の孤立や閉じこもりによる事故を防止し、新たなコミュニティでの生きがいづくりを支援してまいります。
(10)県老連独自の取り組み
我が国の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳(令和3年簡易生命表―厚生労働省発表)と、世界有数の長寿国です。
しかし、健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38歳と男性で約9年、女性で約12年の差が生じており、男女ともに長い年月を要介護状態で過ごしていかなければなりません。
高齢期を誰もが健康で生き生きとした生活を送りたいということは高齢者の切実な願いです。
本会では、平成30年度から健康寿命の延伸を図るため、後期高齢者医療広域連合の補助事業である「長寿・健康増進事業」を活用し、県内各地において「健康づくり・介護予防教室」を開催してきました。本事業は会員の関心も高く、各会場とも多くの会員が参加され健康増進に取り組んでいます。
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の”第7波”及び”第8波”が猛威を振るい開催が危ぶまれましたが、人数制限や感染予防対策を十分に行い、3会場で実施いたしました。
令和5年度においても、後期高齢者医療広域連合に要望活動を行い、引き続き実施してまいります。
(11)高齢者の交通事故及び消費者被害(特殊詐欺被害)防止運動の推進
高齢者が関係する交通事故が多発しています。
私たちは、「交通事故を起こさない」、「交通事故に遭わない」ように普段から十分に注意しながら、生活していく必要があります。
本会では、毎年行っています「正しい交通ルールを守る県民運動」に参画し、高齢者の交通事故防止に努めてまいります。
また、オレオレ詐欺を始めとする特殊詐欺が多発し、高齢者が被害に遭うケースが増えています。テレビや新聞でも報道されているように、強盗殺人事件にまで発展する事案が発生するなど、物騒な世の中になってきました。
引き続き関係機関・団体と連携しながら、高齢者が被害に遭わないよう注意を喚起してまいります。
(12)関係機関との連携
今後、さらに高齢化が進むと、高齢者同士が繋がり支え合う関係を深める努力を怠ると、高齢者間の格差が拡大し、取り残され孤立する高齢者が溢れ、疲弊した社会へと進むことになります。高齢者に寄り添い、地域の高齢者を支える担い手として地域課題や福祉課題に向き合い組織的な活動を展開しているのが老人クラブです。このような老人クラブの地道な活動が理解されれば、老人クラブへの期待は確実に高まるものと考えます。
今、私たち老人クラブは組織の活性化が求められています。
そして魅力的で楽しいクラブの構築を目指し高齢者の代表たる組織としての存在感を高めることです。
今後、老人クラブが生き残るためには、町内会や自治会との連携はもとより、行政との連携が組織拡大の重要な鍵を握ることになります。
本会では、引き続き各自治体への要望活動をはじめ市町村議会の議員(福祉関係常任委員会等)等との懇談会を持ちながら、今日の高齢化の問題について議論を深め、認識を共有するための取り組みを進めてまいります。
(13)コロナ禍における老人クラブ活動
新型コロナウイルスが出現して4年目に入りました。
経済活動への影響や医療提供体制の逼迫、さらには社会生活にも大きな混乱をもたらすなど、深刻な事態となっています。この間、老人クラブ活動も大きな影響を受け、各種会議や事業の中止や延期を余儀なくされました。
このままでは、老人クラブの存在そのものが問われかねない状況にあります。
今後、あらゆる情報手段を通じて、会員同士が繋がるための取り組みを精力的に進めていかなければなりません。また、長期化するコロナ禍における感染予防との会員の健康維持・増進を図るため、3密の回避、マスクの着用など、感染予防の基本的なことを守り「新しい生活様式」のもとで創意工夫を凝らした多様な活動を推進してまいります。
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V 重点活動項目 |
1.全国三大運動の推進
2.会員増強運動(会員加入促進5か年計画)運動の推進
3.長寿・健康増進事業の推進
4.健康づくり・介護予防活動及びフレイル(虚弱)予防対策の推進
5.老人クラブのあり方に関する検討委員会による検討結果の実践
6.新地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の推進
7.災害等からの復興と被災クラブの再生
8.高齢者の交通事故防止運動及び消費者被害(特殊詐欺被害)防止運動の推進
9.関係機関との連携強化
10.コロナ禍における老人クラブ活動の取り組み
1.頻発する災害への対応
ア 東日本大震災、台風及び豪雨災害等からの復興と被災クラブの再生
イ 被災地(東日本大震災・台風・豪雨等)への支援
2.組織活動の強化に向けた取り組み
ア 会員増強運動と市町村老連の組織体制強化
(ア)会員加入促進5か年計画の実施
(イ)解散・休会クラブの防止と支援体制の強化
(ウ)市町村老連の事務局体制の強化と事業支援、連絡調整の円滑化
イ 老人クラブリーダー(若手・女性・健康づくり・友愛)の養成と委員会の結成促進、
活動の活性化、事業実施への対応
(ア)ゲートキーパー養成研修
(イ)一人暮らし高齢者の料理教室
3.市町村老連との連携
ア 会議・委員会・研修会の開催及び要望活動
(ア)市町村ブロック別三役等懇談会(県内4地区で開催)
(イ)市町村老連事務局長会議
(ウ)女性委員会・若手委員会・会員加入促進委員会
(エ)市町村老連会長・事務局長研修会
(オ)友愛活動研修会
(カ)市町村老人クラブリーダー(女性リーダー含む)研修会
(キ)研修会等への支援
(ク)「健康づくり・介護予防教室」の開催
(ケ)「会員加入促進」・「地域支援事業」に係る会議及び研修会
(コ)各自治体への要望活動・市町村議会の議員等との懇談(会員加入等)
(サ)老人クラブのあり方に関する検討委員会による検討結果の実践
イ 活動の提携
(ア)市町村老連が行う健康づくり・介護予防支援事業の促進
(イ)老人クラブによる地域支え合い事業の推進
(ウ)地域の安全・安心を支える活動と事故防止運動の推進
4.北海道・東北各県・指定都市老連との連携
(ア)北海道・東北ブロック老連会長・事務局長会議(札幌市)
(イ)北海道・東北ブロック老連活動推進員事務担当者会議(青森県)
(ウ)東北ブロック老人クラブリーダー研修会(宮城県)
5.全老連との連携
(ア)都道府県・指定都市老連代表者会議
(イ)都道府県・指定都市老連事務局長会議
(ウ)活動推進員等職員セミナー
(エ)高齢者の健康づくり・生活支援セミナー
6.全国運動、全国共通目標の推進
ア 全国三大運動「健康・友愛・奉仕」の推進
(ア)健康づくりをすすめる運動
(イ)在宅福祉を支える友愛活動
(ウ)地域の安全・安心を守る社会貢献活動
イ 老人の日・老人週間(9月15〜21日)における組織活動の推進
7.令和5年度第54回岩手県老人クラブ大会の開催
期 日 令和5年10月19日(木)
会 場 奥州市 奥州市民文化会館(Zホール)
8.広報啓発事業
ア いわて老連だよりの発行(年4回・各12,000部)
イ ホームページの運営
URL http://www.rnac.ne.jp/~sciwate/
9.関係機関との連携
ア 岩手県社会福祉協議会との連携
イ いきいき岩手支援財団との連携
ウ 岩手県後期高齢者医療広域連合との連携
エ 関係各機関・団体との連携
10.関係事業の実施
ア 老人クラブ保険への加入促進
イ 老人クラブ会員章の普及
ウ 大名湯治の会の実施
エ みんなで歌う歌謡集の普及斡旋
オ 老人クラブ会計簿等参考資料の斡旋
カ 老人クラブ活動資金づくりの斡旋
11.法人・組織の運営
ア 役員会等の開催
・評議員会
・理事会
・監事会
・三役会議
イ 顕彰
老人クラブ育成功労者表彰、優良市町村老人クラブ連合会表彰、優良単位老人クラブ表彰、
永年勤続職員表彰、全老連活動賞伝達表彰
ウ 法人事務の遂行
(ア) 財務の管理運営、経理事務の遂行
(イ) 法人運営事務の遂行
(ウ) 市町村老連要覧(基本台帳)の作成
(エ) 公益目的支出計画の適性な執行 |