くさい魚は捨てるだけ・・・ダムに泣く稲川町民
稲川町Fさんは言う。ゴリがバケツで2杯も取れた。ザッコ蒸しにして食べようとしたら、腸が臭くて食べれない、惜しいけど皆投げた。(昨年秋の話)
やっぱりダムが出来てからだとFさんは嘆く。水の濁りがなかなか消えない--とも言う。放流したアユの稚魚は、苦しがって浮いてくるそうだ。
成瀬川はきれい
東成瀬のTさんは昨年8月、毎日、皆瀬川と成瀬川の水を比較観察した。成瀬川は濁ってもすぐきれいになる。皆瀬川は濁れば濁ったきり。8月7日~30日まで。
そこで建設省に、水質について質問した。玉川ダムはどうでしょうかと。
玉川ダムも濁ったら戻らない!
仙北郡の玉川ダムの資料を建設省からもらった。雨が降ると、入ってくる水も濁る。雨がやむと、入ってくる水は4~5日できれいになるが、ダムから出ていく水は10日もよごれたままだ。
成瀬ダムは選択取水だから大丈夫-建設省
(選択取水ってどんなのかな?・・・建設省の説明)
ほんとかな。
今、実際に選択取水をやっているところが山形県に1ケ所あった。最近、東成瀬村の議員(3名の有志)が、選択取水をしている寒河江ダムを視察してきた。
寒河江ダムでも魚に被害
ダム管理事務所長の話。
『大きい洪水での濁りの軽減は無理です。
また水の少ない時の洪水では、水全体がかき回されて、長期間の濁りになります。選択取水設備は濁りの軽減であって無くすことは不可能だ』
気休め程度ですか-という質問に賛成も否定もしなかった。
ある議員の話、ダムを作るときは水質は大丈夫と言われた。効果が皆無とは言わないが、期待外れだ。特に去年はひどかった。
寒河江漁協のある有力な会員の話は次のとおり。
①魚のため自然維持水量は確保すると建設省では言った。ところがなんだか少ないので、大学の先生に計ってもらったら、約束の6割しか来ていなかった。管理事務所に文句をいうと、発電所に言えという。発電所に抗議すると管理事務所に言ってと答える。たらいまわしをして、誰も責任を取らないのです。
夏場は石が汚れて水が腐っている(水が今までより少なくなって、石が転がらず、汚れたものが付くようになった)。
②ダムに近いほど汚れはひどい。(水が発電所に取られて、川の中を掃除する水がやってこないからです--事務局注)
③ハヤが居なくなったところがある。産卵場所の無くなったところも出てきた。
④ダムの技術管理者は「濁ってきたら、貯めないで早く出す(放流する)のが一番良い」という。
要するに選択取水は言うほどの効果はないようだ。
湯沢工事事務所が「効果あり」というのは、どこのダムなのか示して欲しい。寒河江ダムは大丈夫と言ったが現状はだいぶ違う。
計画過大だった上水道計画
⑤下流へいくと、見た目きれいになってくる。ダムから離れると支流の水が加わって、改善されるのではないか。
⑥水道用水は計画の半分になっていた(水需要が、最初の計画の半分になったため)。ここでも同じことが起きそうだ。
景観も変わる
⑦寒河江もロックフィルダムだった。原石山の石の採集跡は、岩山なので植樹は無理、結局は怪しげな草を植えていた。
(成瀬の水だより・・・’99・12・10発行より)
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