成瀬ダムの目的と現実

建設の目的

現実は?

1.治水・・・洪水を防ぐ

計画は150年に1回程度の大雨を想定しています。

2.農業用水の供給

平鹿平野の一部には水のかかりにくい所があるので、水路を改修し、今の2倍の水を流します。貯める容量のうち、農業用が最大です。

3.水道用水を供給

湯沢市、増田町、十文字町、平鹿町、西仙北町、南外村の上水道にダム水を供給します。

4.河川の正常な流量維持

渇水期でも川の環境を守るため一定量以上の水を流します。

5.発電

3,800世帯分の電気をおこします。

 人工物で洪水を完全に封じることは不可能です。洪水をやり過ごす考え方が世界では広がっています。

 田んぼは3割減反なのに、水は今の2倍も必要でしょうか?

 地下水に依拠している現在の美味しい水からダム水に依存した水道になります(薬をたくさん使います)。

 鶴岡市では去年から月山ダムの水に切り替えましたが、

 1.水がまずくなった 2.夏の水が生ぬるくなった 3.冬の水が刺すように冷たい(風呂が沸きにくくなった) 4.水道料金が高くなった、と言われています。

 ダムの下流では時とともに川の濁りが目立つようになっています。ダムに貯まる土砂によって数十年のうちにダムが埋まるところがでてきています。

 時代は風力発電、太陽光発電の方向に向かっています。

成瀬ダムの不透明要素

@ 1530億円では済まない事業費。地質学的な困難からこの倍以上になるだろうという専門家もいる。国家財政ひっ迫のなかで、どこまでこのムダな事業に金を垂れ流しつづけられるか?

A 秋田県と地元の負担増は必至。知事はすでに稲川町での合併懇談の席で、「成瀬ダムは規模縮小を考えなければならない」と言っている。財源難で悩む知事の本音だろう。秋田県の負担は300億円近いものだが、これでは到底収まらないだろう。

B 昨年、ダム予定地の直近にクマタカの巣が見つかり新聞を賑わせた。環境庁の指針に忠実に従がえば、500メートルも離れていない付替道路の工事は厳しくなる。巣に監視カメラを設置した意図は明白だろう。

C すんなりとは行かない付替道路の建設。原生的自然がひろがる現地での付替道路建設にはいろいろの抵抗がある。当初の旧建設省案には秋田県も難色を示し再検討が行われている。

D 成瀬ダムの上水道計画について、それが自治体の財政を圧迫するだけでなく、水の質が大きく変わることへの漠然とした不安が広がっている。鶴岡の例でも話されていたが、冬期水道の水が2℃まで下がるというのはこれからの高齢化社会では深刻な問題であろう。水道水の問題は今後も大きな火種となるだろう。

私たちの未来への負担

成瀬ダム建設費 1530億円

(この2倍以上になるという専門家もいます)

平鹿平野かんがい事業 390億円

市町村の上水道計画合計 200億円?

現在の国、地方を合わせた借金は?

681兆円

あなたの家庭の負担額は・・・

1468万円

 

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