●突発性発疹

突発性発疹は、どんな病気?
良性の病気です。赤ちゃんが生まれて初めて高い熱を出し、熱のわりに赤ちゃんの機嫌が良ければ突発性発疹が考えられます。生まれて初めての熱のことが多く、咳(せき)や鼻水はありません。
生後初めての発熱の約半数は突発性発疹で起こると言われています。
熱は38〜39度くらいで、急に上がってきます。高い熱が3日間ぐらい続き、4日目ぐらいに熱が下がってから、お腹から淡紅色の盛り上がりの少ない発疹が出てきます。首や肩、腕に広がり、顔や脚にもでることがあります。この発疹は、かゆみはなく、痕(あと)を残さないで消えます。
発疹が出たころから便がゆるくなることがありますがすぐによくなります。 
流行する時期は?
特にありません。1年を通して見られます。
何ヶ月ぐらいから、かかりますか?
4ヶ月から1歳末満でかかることがほとんどです。2ヶ月以下、2歳以上ではまれです。
どんなことに注意して看病したらいいですか?
良性の病気と言っても、小さな赤ちゃんが初めて高い熱を出し、しかも毎日続くのですから、お母さんにとっては不安でたまらなくなるでしょう。特に初めての赤ちゃんならば一層不安だと思います。
熱があっても機嫌が良く、お乳を飲んでいれば、様子を見ておいて下さい。離乳食も食べるならいつも通りに与えて下さい。
けれども、ひきつけた、お乳を飲む量が少ない、よく吐く、下痢がひどい、ぐったりして機嫌が良くない、こんな時は必ず受診してください。ただこのような場合はまれです。機嫌の善し悪しについて一番注意してください。
もう少し詳しく知りたいのですが、どんな病原体で起きるのですか?
ヒトヘルペスウイルス6型に初めて感染したときに発症します。このウイルスは健康なヒトの唾液にも居ます。また、ヒトヘルペスウィルス7型も突発性発疹を起こすことがわかりました。典型的な症状以外にも発疹が出ないで終わったり、ごくまれに脳炎や熱性けいれんと関係がみられることもあります。
二度かかることがあると聞いたのですが?
多くはないですが、2回かかる場合もあります。一部はヒトヘルペスウィルス7型で起きるようですが、この場合は熱の期間や発疹の出方がまちまちのことがあります。

檜山陽司(水沢市・小児科医師) 胆江日日新聞社より