●再び乳がんについて

 平成12年11月の胆江日日新聞に、乳がんが急増していることを報告し、自己検診(自分の乳房を定期的に触診して調べること)の徹底と乳がん検診受診の呼びかけを行いました。今回は平成12年に行われた水沢市の乳がん検診結果をお知らせするとともに、今後乳がん検診の中で重要な位置を占めるマンモグラフィ(X線で乳房を撮影すること)について紹介いたします。

 平成12年度の乳がん検診は、ほぼ例年通り3,178人に施行されました。これは受診者対象の18.5%にあたり、また申し込み希望者の53.7%でした。このうち186人が精密検査にまわり、最終的に6人が乳がんと診断されました。従って乳がん発見率は0.19%であり、報告されている他の検診発見率と比較して2〜3倍の高い値であります。この結果は検診が有効に機能していることを示すものと思われます。

 また一方で、水沢地区は乳がんの多い地域ではないかと、ちょっと心配にもなる数字でもあります。このように発見率が高いのですから、次には受診率である18.5%という値が気になります。申込者の約半数しか受診していないのも、これまた気になります。「自分の健康は自分で守る」の原則で、13年度は多くの方に検診にきていただきたいと切に思います。

 次にマンモグラフィ併用検診について少しのべます。日本では長年視触診による乳がん検診を行ってきましたが、より早期の乳がんを発見するために乳房のX線撮影を検診に導入する検討がなされました。その結果、効果、安全性の面で十分有効であるという結論となり、ここ岩手県でも平成11年度から市町村によっては導入されております。具体的な指針は、50歳以上の女性について2年に一度マンモグラフィと視触診を併用した検診を施行するというものであります。マンモグラフィを併用すると、視触診単独による検診に比べ約4倍の乳がん発見率であると報告されています。 すでに胆江地区のいくつかの市町村では施行されており、われわれの病院でも、マンモグラフィによって発見された乳がんを平成12年度に初めて2例治療いたしました。

 マンモグラフィ併用検診を水沢市ではまだ施行していませんが、われわれ医師会も早期導入に向けて水沢市保健福祉部とともに検討中であります。詳細についてはいずれお知らせする機会があると思いますが、マンモグラフィ併用検診に理解を深めていただき、受診されることを強くお勧めします。

北村 道彦(水沢市・外科医師) 胆江日日新聞社より