●花粉症の予防
厳しい冬が過ぎ、春一番の声を聞くとともに耳鼻咽喉科の外来はスギ花粉症の患者さんでにぎやかになります。
花粉症は、アレルギー体質の人が、ある花粉を吸い込んでいるうちに、偶然ある年の花粉を吸ったとき突然発病する病気のため、いつどんな花粉で花粉症になるかの予測がつきません。どんな花粉でも花粉症のもとになりますが、数が多く、しかも長期間開花しているものが花粉症の原因となりやすいようです。胆江地区ではスギ、カモガヤ(イネ科=洋名オーチャード)、ヨモギ、ブタクサなどが目立ってます。
そこで、この病気の予防といいますと、一度発病した人が次の年にどうすれば良いかということになります。理想的には花粉を吸わないことですが、日常生活の中ではこれは不可能ですので、吸い込む花粉の量を出来るだけ少なくするためにはどうすれば良いかを具体的にお話します。
まず、スギ花粉症であれば、通常なら3月10日過ぎから新聞やテレビの花粉情報を注意して聞いて下さい。一関市で花粉が飛んで来たという報道を聞いたらもうすぐです。スギ花粉の飛散が始まったら、風の強い日や晴天の日は花粉がたくさん飛んでくるので、外出時や洗濯物を外で乾かすときは注意が必要です。不要の外出はしない、仕事等でどうしても外出するときはガーゼを2〜3枚入れた厚めのマスクをし、大きめの眼鏡をつけて歩くように心がけます。
外出から帰ったらすぐ顔を洗い、うがいをしましょう。晴天の日や風の強い日は、窓はなるべく開放しないよう心掛けるとか、室内に入り込んだ花粉を掃除機で十分に取り去ることも必要です。外に干した洗濯物やフトンにはたくさんの花粉がついていますので取り込むときは、よくたたいて花粉を落として下さい。
カモガヤのようなイネ科の植物は、花粉がどれも同じ形をしていて共通に花粉症のもととなります。この様な草の花粉は、ヨモギにしろブタクサにしろスギ花粉の様に遠くへは飛びませんが、胆江地区の様に自然が多く残されている地方は都会とは異なり、私たちのすぐそばにたくさんみられます。特に、学童の通学路の道端には目だって多いので、空き地や道端の雑草は早めに刈り取ってやることが大切です。これは、花粉症の患者さんだけの問題ではなく、社会全体として地域住民あるいは行政にも協力していただきたい問題だと思います。
転地が良い場合もありますが、経済的な問題があり、まず不可能なことと思います。花粉症の治療を受けている人でも予防に心がけることは必要です。その他の予防方法について、花粉症の患者さんはアルコールで鼻の粘膜に充血がおき発病しやすくなりますので覚悟して飲みましょう。また、自律神経の働きが過敏になりやすいので、普段から皮膚の鍛錬をすることが良いと思います。乾布摩擦は最も手近な方法です。
おわりに、このような花粉症を克服するには本人、家族はもちろんのこと、地域住民一体となった取り組みが必要です。頑張りましょう。
千葉 和夫(水沢市・耳鼻咽喉科医師) 胆江日日新聞社より