このページはグランビア通信に書かれた
スペインよもやま話を集めています。

--♪--♪--♪ スペインよもやま話 bQ6 ♪--♪--♪-- 

     -- エル ブジ 「EL  BULLI」 について --

 スペインのバルセロナから車で1時間半(160Km)の町ロサス。地中海を
 望む静かな入り江にレストラン「エル ブジ」があります。

 今世界でもっとも注目されているシェフ”フェラン・アドリア”が作り出す創作
 料理がそこで作られています。大都市から遠く離れた田舎の町にある彼の
 レストランは欧米のみならず世界の食通達の予約で2年先まで一杯とも
 いわれ、スペイン料理・イタリア料理・フランス料理の枠を越えた創作料理
 として受け入れられています。

 11日(月)東京の服部料理学園で、スペイン大使館主催の「エル ブジ」の
 シェフによる料理フォーラムがあり、参加してきました。全国から200人位
 集まっており、会場は異常な熱気に包まれながらの5時間半でした。

 5時間半の中身全部は無理ですが、彼の熱く語った料理に対する思いを
 少しだけお伝えします。第一に「料理は感動を与えなければ意味がない!」
 と力説していました。そしてそれは、「真似ではなく、自分の物でなければ
 ならない!」と……。
 
 フェラン・アドリアは常に今までになかった調理方法を考え出しています。
 たとえば【エスプーマ】というもの、これは彼が考え出す前にはなかった
 料理方法です。スープでもソースでも、またムースでもなく、細かい気泡の
 入ったふんわりとしたソースのような物です。そしてそれに【エスプーマ】と
 名前さえも作ってしまいした。

 また彼は「私の料理が最高とか、美味いとかは問題ではない、私は高速
 道路の入口を作ったようなもんだ。その道路で美味しいものを作るのは
 皆さん方です。」 天才はいちいち言う事がカッコいい…。

 つまり、料理という手段を借りた彼の芸術ということらしいです。服部学園
 の校長である服部先生の挨拶で、「フェラン・アドリアは料理界のピカソで
 あり、ダリであり、そしてガウディである」と言っているのを聞き、うーん、
 なるほどと、うなってしまいました。

 そんな天才の話を実際に聞く事が出来て、凡人の僕は感動しました。
 感動ついでに彼の本にサインをしてもらいました。「Pra Granvia」
 (グランビアへ)と書いて下さいと言ったら、「僕は今、バルセロナの
 グランビアに住んでるよ。ありがとう!」と言ってくれ、天才とはいえ、
 結構気さくな感じでした。
 
  「エル ブジ」のホームページ  →    http://www.elbulli.com
 (凝っているので クリックするところを注意深く探してください)
  
  ではまた Adios!amigos amigas.


EL BULLIのメンバーと服部学園校長

てきぱきと仕事をこなすスタッフ

僕はこの本にサインをもらった

EL BULLIの創作料理
 
--♪--♪--♪ スペインよもやま話 bQ7 ♪--♪--♪-- 

     -- チョッと寄り道ポルトガル --

 ポルトガルはスペインの西の隣国、広さは日本の四国と同じ位で言葉
 はポルトガル語、南米ブラジルと同じ言葉です。人口は国全体でも
 1千万人弱で首都リスボンは約70万人の都市です。もともとリスボンは
 港として栄えた街で、今も港に面して街が構成されてます。中心部から
 20分も歩けば港に出てしまいます。

 その港の一部に面白い一角があります。『泥棒市場』といい、テントが
 何十張りも並んでいて、なんでも手に入ります。もともと海賊が盗品を
 売りさばいていた所らしく、分かりやすいネーミングに納得。現在は
 盗品(?)ではなく衣類、生活用品、偽ブランド品などが売られていました。
 僕はそこで靴下3足を200エスクードで買いました。(¥120位、安い!)

 リスボンの特産品はなんといっても銀製品が有名で、両側全部が銀製品
 の店でしめている銀座通りがあります。細かい細工が素晴らしく、価格も
 安いのでお土産には最適です。

 さて肝心の食べ物の話です。ポルトガルの旅で一番美味ったものは、
 なんと”イワシの炭火焼”でした。居酒屋ではなくレストランのメニューに
 しっかり”サルディーニャ・サード”と正式に魚料理として載っているのです。
 
 昼頃になると、あちこちのレストランの前には炭火がおこされ、バケツに
 入れたイワシを焼き始めます。脂ののった大羽イワシで煙と共にいい匂い
 が街中の漂い、それに惹かれる猫(?)のように人々はレストランに入って
 いきます。なんとも懐かしい匂いで急に日本食が恋しくなり、我慢しきれず
 適当な一軒に入りました。
 
 「イワシを下さい!」と言うと、店の人は「何匹、たべますか?」と聞きます。
 そうかそう来たか、それならといつものように回りを伺って、「三匹!と
 ビールを」と注文しました。まもなく、いい色に焼けたイワシにレモンが
 添えてあり、その香りにはただただ感激、食べるのが惜しいくらいでした。
 
 おまけに冷たいビールの美味しかったこと、言葉に言い表せないものが
 あり、皆さんの想像力におまかせします。でも、やはり日本人、「ここに
 醤油があったら!」と考えてしまいました。

 まさか地球の反対側でイワシの塩焼に出会うとは、しかも炭で焼かれ、
 火箸(トングのようなもの)まで同じ。こんなことがあると旅の緊張がほぐれ 
 思わずビールが進んでしまいます。ポルトガルと言えば他に”ファド ”
 (民謡)のこともありますが、また別の機会に。

 Adios!amigos amigas.
               


ポルトガルのナザレの海岸↑
ケーブルカーで行き来する↓

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