このページはグランビア通信に書かれた
スペインよもやま話を集めています。

  
  
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 今週はお薦めメニューにも出ている、イカの墨煮の話をちょっと。数年前
 イカ墨が、ガンに効くとか身体にいいというのでちまたで流行ったことが
 ありました。ポテトチップやパン、スパゲッティやラーメンまでいろんな食品
 にやたらと黒いバージョンが出回ったりしました。すぐ無くなりましたが…。
 どうしてでしょうね、 あまり美味しくなかったのかな……。

 家庭でイカを調理する時など墨の部分はほんの少しで、これで墨煮を作る
 には大量のイカが必要ではと思った方もおられるかもしれません。この
 料理には、「甲イカ」という種類のイカを使い、これは墨煮専用と言っても
 いい位、墨の量が豊富です。他には紋甲いか、スミイカなどです。
 スーパーなどにはあまり出回らず、市民市場の一部の魚屋さんで手に
 入ります。それもいつもあるものではありませんので、入手したい方は
 電話で確かめられてからの方がいいと思います。
 (゛かがや゛ という魚屋さんです 833−1074)

 イカの墨は鮮度のいいのはあまり生臭くありませんが、落ちると結構匂い
 ます。臭みを消す為に、セロリー・ネギ・人参・玉ねぎ・ニンニクをよく炒めて
 白ワインをタップリいれてにつめるといいです。隠し味にトマトを刻んで入れ
 ると美味しくなります。(真黒のままです。ホントの隠し味)

 開店当初より、イカの墨の料理を提供してきましたが一度もメニューから
 消えた事はありません。パエージャと同じく根強い人気があります。

 ところで、スペイン料理のイカ墨を使ったスパゲッティは、スペイン料理か、
 それともイタリア料理かという素朴な疑問がありますが、この答えは、
 イタリア料理になります。スパゲッティは言うまでもなくイタリア料理で、
 スパゲッティを食べたくなったスペイン人はイタリア料理店に行って食べる
 わけですが、スペインにはイタリア料理店がそんなにあるわけでもなく、
 一般的にあまり食べないようです。

 なんだか話がややこしくなってしまいました。自分の国に美味い物がある
 のになんで他国のものを、とスペインの人は言っているのでしょうか?

当店のイカ墨のスパゲッティ20年前の味を大事にしています。
 
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      アンダルシアのローカル列車ーーー@

 以前旅したアンダルシアのローカル列車の話を少し。 
 アンダルシア地方の大きな街としては、セビリア、マラガ、グラナダ、
 コルドバ、カディスに代表されます。ほかにも小さな町、村がいっぱい
 ありますがそれはまた後で…。 

 基本的に国営鉄道(レンフェ)が主要都市をむすんでいますが、
 実は、バス(スペイン語で”アウト ブス”)が非常に便利です。
 時間の正確さ、路線数、本数ともバスのほうが勝っています。

 列車は方は、まず時間通り来ることはなくて、一応時刻表はあるのですが
 あまり役に立ちません。大体の目安にするのはいいですが、30分遅れ
 なんてざら、1時間ってのも珍しくありません。おまけに駅員は少なく、
 ホームには誰もいません。到着を知らせるアナウンスも当然あるはずもなく、
 ベンチに腰掛けている太ったおばさんを見て、まだ列車は来てないなと
 勝手に判断しなければいけないという有様です。

 1日にたった3〜4本しかない列車なんて本当に必要なのかと思ってしまい
 ました。運賃は確かに安く、バスの1/3位です。
 
 ちなみに、スペインにも”アベ(AVE)”という新幹線があり、マドリード〜
 セビリア間(600Km)を3時間で運行しています。こちらの方は日本の
 新幹線と同じく時間は正確です。運賃も安く、1等でも食事付きで約1万円位
 です。座席はゆったり快適だし、揺れは少ない、車内係のおねえさんも
 キレイ!と言うこと無し。思わす、アンダルシアのローカル列車とどうして
 こんなに違うの!と言いたくなります。
 
 ローカル列車を散々こき下ろしておいてなんですが、でもそれだけではない
 ローカル列車にしかない?旅もありました、詳しくは次回また…つづく。

スペインの新幹線「AVE」 快適な車内
  
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今週の話題は生ハムです。ご存知の様に、ここ数年来、生ハムの人気が
急上昇しています。最近はますます、いろんなところで「生ハム」の文字を
見るようになりました。この間はテレビドラマの中で、スマップの一人が
生ハムを切って藤原紀香に食べさせていました。(それがどうしたと
言われればどうもしませんが。)(U_U)

生ハムも国や地方によって様々です。スペインの生ハムはハモン・セラーノ
(Jamon  Serrano )と呼ばれ、イタリアの生ハムはブロシュートと言って、
かなり製法に違いがありますます。

私が作っているのはもちろんハモンセラーノですが、豚の骨付きもも肉
丸々1本を使います。天然の塩以外の一切の添加物は使用しておらず
最低1年かけて熟成させます。熟成の年月によって味が変化してきますが
私が個人的に好きなのは18ヶ月ぐらい経ったものです。

ちなみにスペイン人がどのくらい生ハム好きかといいますと現地の
バル(居酒屋)の人気メニューを見てもわかります。それはだいたい
下のような順位になります。
 @生ハム(ハモンセラーノ) ・・・・ダントツ1位
 Aオリーブ           ・・・・日本のお新香の感覚
 Bオムレツ(トルティーヤ)  ・・・・厚焼き卵焼き
 Cイカの天ぷら(カラマーレス)・・・・日本の天ぷらのルーツ

生ハムつくりをはじめてから16年になりますが、幸いにもここ3年は、
唐松温泉という生ハム造りには格好の場所を得て、仕上がりも年々
よくなってるような気がします。今年は黒豚を使い仕込みました。
毎年試行錯誤の連続です……。

生ハム作りに興味のある方はこちらご覧ください

        ↓
http://www.rnac.ne.jp/~granvia/ham.htm

このようにスペインのバルには天井から生ハムがぶら下がっています。

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      アンダルシアのローカル列車ーーーA

マラガからグラナダまではバスだと1時間でいける距離なのですが、ローカル
列車に乗ったおかげで、例の調子で遅れに遅れ、結局3時間かかりました。
定刻であれば2時間で着くはずなのにおかげで、ローカル列車の旅を満喫(?)
するはめになりました。

スペインの南部はまだ7月の初めなのに、日中40度近くまで気温が上がり、
とても蒸し暑いです。アンダルシアは”スペインのフライパン”と言われている
事に納得します。

私は列車に乗る前に、これから始まる極暑の旅に備え、冷たいミネラル
ウォーターを買う事にしました。自動販売機で1.5Lのペットボトルを買おうと
ボタンを押すと、ズドンというすごい音と共に、がちがちに凍ったペットボトルが
出てきました。「なんで…!?」しばらく唖然としてしまいました。いちいち考え
られない事が起こるのがスペインです。

喉がカラカラだった私はなんとかして溶かそうと、手でこすったりしてみたの
ですが無駄な努力でした。氷の塊をじっと見つめながら、あれこれ考えました。
単に機械の具合が悪いのかもしれないし、よく解釈すればより冷たさを保とう
としてると、考えられなくもない。しかし、今すぐ飲みたい人はどうなるのだ!
そして私は!それにしても喉が渇いた……。

気をつけましょう。ミネラルウォーターを買う時は売店で…。    つづく


この日は朝の10時頃なのにすでに35度を越えてました。

 
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            フラメンコ- - - - -@
  スペインと言えば一番最初に出てくる言葉は「フラメンコ」それほど日本人に
 なじみのある言葉ですが、当のスペイン人にとってはどうでしょうか?
 実はフラメンコはアンダルシア地方の民族音楽であって、バスク地方、
 カタロニア地方、カステーリャ地方のの人々にはあまり関係がありません。
 と言うよりそれぞれの地方に民族音楽があり、バスク地方にはケルト音楽の
 影響を受けた民謡が主になっています。

 本題のフラメンコはと言うと、もともとインドの方から来た民族でジプシーと
 呼ばれ、東欧を旅する放浪民族がグラナダのサクロモンテの丘に住み着き
 形づくられた音楽です。今でもその丘にはジプシーが横穴を掘った家に住み
 その住居の一角でフラメンコを見せるタブラオをやっています。
 
 そこで演じられるフラメンコは、土臭いと言うか、荒いと言うか他の地区の
 タブラオで見れるのとは一味もニ味も違います。大体家族、親族で構成され
 ギターが長男といとこ、踊り手は長女と次女、一家の主、歌い手が叔父さん
 そんな感じで7〜8人でやっています。もちろんみんなジプシーです。

 セビリアのタブラオは観光客用にかなりショーアップされていて、はじめて
 見るかたにはいいと思います。

 マドリードのタブラオのレベルは高く、芸術的な踊りが多い、夜の10時頃
 から始まるショーは12時ごろからやっといい踊り手が登場します。あとは
 延々と3時まで重い踊りをやるので結構体力が要ります。ちなみに日本人
 のツアー客は連日の強行軍の為、前座だけ見て帰るようです。

 僕の一押しのタブラオはグラナダの「ネプツーノ」、ここは若いダンサーが
 エネルギッシュ踊り、ギターも歌い手も若くパワーがあります。フラメンコ
 の世界は閉鎖的なところがあり、若い人が活躍できる所が少なく、ここだけ
 は若いアーチストが中心になってやっています。必見!

グラナダの「ネプツーノ」強烈なパワーには圧倒される

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